多雪地畦畔でノシバが被覆を完了するまで除草を軽減するヒメイワダレソウとの混植  中山間地農業技術センター

タイトル
要約 畦畔や法面の緑化にヒメイワダレソウやシバ類が利用されています。
これらを混植して利用するという方法について検討したので、その結果を報告します。
混植による植生の変化 ノシバとヒメイワダレソウ混植苗を定植すると、初年度はヒメイワダレソウが全面を被覆しますが、定植3年目になるとノシバが全面を被覆します。
既存のグランドカバー植物の問題 水田畦畔などの緑化には、シバ類やヒメイワダレソウが用いられていますが、それぞれ一長一短があります。
シバ類の場合は、被覆速度が遅いので被覆し終わるまでは雑草を抜き取る作業が必要です。
既存のグランドカバー植物の問題2 ヒメイワダレソウは、被覆速度が速く、植えた年に被覆を完了できます。
ただし、野鼠被害や過繁茂のため、定植3年目以降から年々枯死する事例が多くなります。
ねらい シバ類とヒメイワダレソウを混ぜて植え(混植)、それぞれの長所を生かすことができないか検討しました。また、シバ類には、よく使われるセンチピートグラスとノシバがあるので比較しました。
育苗方法 まず、図の手順で混植苗を作ります。
育苗中のかん水不足にならないよう注意します。
約1ヶ月でマット状になったところでできあがりです。
定植方法 できた苗を定植します。
手順は図のとおりです。
定植後の被覆経過 定植後に混植苗は、どのように地面を覆っていくかを調査しました。
まず、ノシバを用いた場合、4年間にわたって調べた結果は、図のとおりです。
1・2年目はヒメイワダレソウの被覆が多いですが。3年目以降はノシバの被覆が多くなります。
*6月下旬(ノシバ出穂終了後)と8月下旬の2回、高さ10僂粘△衒Гそ草した結果です。
定植後の被覆経過2 写真で見ると混植苗の定植2年目まではヒメイワダレソウの被覆割合が多いです。
定植後の被覆経過3 しかし、定植後3年経過すると、ノシバの被覆割合が多くなります。
定植後の被覆経過4 次に、センチピートグラスを用いた場合の被覆経過です。 2年目になるとセンチピートグラスの被覆割合が多くなりますが、3年目は被覆割合が低下し雑草が増えます。
*6月下旬(ノシバ出穂終了後)と8月下旬の2回、高さ10僂粘△衒Гそ草した結果です。
定植後の被覆経過5 写真で見ると、センチピートグラスとヒメイワダレソウ混植苗は、定植後の2年目にはセンチピートグラスの被覆が目立ってきます。
定植後の被覆経過6 3年目になると8月下旬の刈り払いまでの間、雑草が目立った状態になります。
定植後の被覆経過7 ヒメイワダレソウのみの定植後の場合、3年目以降になると雑草の発生が目立ち始めます。
発生した雑草 定植4年目の刈り払い前の雑草の発生状況です。
・刈り払いは6月下旬と8月下旬の2回実施しましたが、どの試験区も8月下旬調査の方が6月下旬の調査よりも雑草が少なくなりました。
・6月下旬の刈り払い前の雑草本数は、「ヒメイワダレソウのみ」の区が一番多く、次が「センチピートグラスとヒメイワダレソウの混植」の区、一番少ないのが「ノシバとヒメイワダレソウの混植」の区になりました。
・8月下旬は、「ヒメイワダレソウのみ」の区が一番少なく、「センチピートグラスとヒメイワダレソウの混植」区と「ノシバとヒメイワダレソウの混植」区は同程度になりました。
留意点 留意点です。
 シバ類は年2回程度の刈り払い(高さ10冂度)が必要です。刈り払い回数が多いほど被覆率が高まりますが、不十分だと年々雑草が回復します。
 試験地は4月下旬の消雪する多雪地での試験結果なので、耐寒性・耐湿性の高いノシバの生育が優りました。
結論 結論は以下のとおりです
 1 畦畔や法面の被覆のためノシバとヒメイワダレソウを混植すると、ヒメイワダレソウが雑草の生育を抑え、ノシバが被覆するまでの除草管理が軽減されます。
 2 多雪地では、センチピートグラスの萌芽が遅いため、ノシバのほうが長期間安定して被覆しやすくなります。

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