大果で食味が優れる日本なし新品種「あきづき」

[要約]

 農水省果樹試育成の日本なし新品種 「あきづき」は、高糖度、多汁、大果性を示し、収量性も高い。収穫は9月中旬から10月上旬で、主要品種の「豊水」と「新高」の中間となり、「二十世紀」や「新星」に替わる品種として有望である。

[背景・ねらい]

 9月と10月は日本なしの最需要期であり、現在、「豊水」→「二十世紀」→「新星」→「新高」と数品種によるシリーズ出荷が図られている。しかし、「二十世紀」と「新星」は栽培上の理由により生産が年々減少している。そこで、これらに替わる有望品種を選定する。

[成果の内容・特徴]

  1. 育成経過:農林水産省果樹試験場で「162-29」(「新高」×「豊水」)に幸水を交配した実生から育成した赤なしで、系統適応性検定試験の系統名は筑波47号である。
  2. 樹体特性:樹勢は比較的強く、頂部優勢が強いため、樹冠拡大は容易。花芽は短果枝、えき花芽ともに着生が少ない部類の品種である。開花期は幸水よりやや早い。収穫期は9月下旬から10月上旬で、「豊水」と「新高」の中間になる。収量は幼木時から多く、多収性である。
  3. 果実特性:果形はへん円で、ほとんどの果実が有てい果であるが果形の揃いは良好。果面は全面サビに覆われ無袋でも汚れは目立たない。果梗は太めで収穫前に軸折れによる落果が若干発生する。果重は5カ年平均で481g、最大は800g以上となる大果性を有する。糖度は13%程度で「幸水」や「豊水」と同等だが、酸味が少ないため甘みを強く感じる。肉質は柔軟多汁で良好である。
  4. 栽培性:病害虫では、黒斑病には抵抗性を示す。黒星病の発生も今のところ認められず、強い部類に入ると考えられる。

[成果の活用面・留意点]

  1. せん定にあたっては、収量に影響するほどではないが、短果枝や腋花芽の着生が少ないので、花芽の確保に留意する。また、摘果に際しては極端な着果ムラが生じないように留意する。 
  2. 現在、果樹試験場が種苗法に基づく品種登録申請中であり、平成11年の秋から苗木が流通する予定となっている。

[具体的データ]






[その他]

研究課題名:果樹優良品種の選定と導入
予算区分:県単経常
研究期間:平成4〜13年度
発表論文等:なし

農業総合研究所園芸研究センター 栽培・施設科

連絡先

TEL 0254-27-5555

FAX 0254-27-2659

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