平成28年度 研究成果情報

 

新潟オリジナル乳酸菌を用いた衛生的な非加熱食品素材の製造技術

 

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[要約]

地域特産農産物のペーストに乳酸菌ウオヌマ株を106100万)個/g以上接種して5で1〜2週間以上発酵させることにより非加熱でも大腸菌群陰性となり、適度な酸味や機能性アミノ酸を付与した食品素材となる。

 

[背景・ねらい]

近年、地域で分離された微生物を活用し、地域特産農産物を原料とした加工食品を開発している事例が多い。新潟県は低温でも増殖できる特長を有するオリジナル乳酸菌を保有していることから、本乳酸菌を活用した食品素材の製造方法を確立し、地域特産農産物の需要拡大を図る。

 

[内容]

1 洗浄・殺菌した野菜・果実をペースト状に破砕・撹拌し、乳酸菌ウオヌマ株(Lactobacillus sakei UONUMA)を106100万)個/g以上接種して5℃で1〜2週間以上発酵させることにより発酵ペーストを作製できる(図1)。

2 発酵により乳酸菌数が1071,000万)個/g以上となったペーストは雑菌数が低減し、非加熱でも大腸菌群陰性となる(図2)。

3 発酵ペーストは、野菜にはほとんど含まれていない機能性アミノ酸のオルニチンが付与される(図3)。

4 発酵ペーストは乳酸によりpH値が低下するが4.0未満にはならず適度な酸味を有する(表1)。

5 乳酸発酵の進度は農産物の種類により異なる(表1)。

 

[導入効果]

 地域特産農産物を利用した新規加工品の開発が可能になる。

 

[導入対象]

食品加工業者、農産加工業者

 

[留意点]

1 ブルーベリー及びいちご等果汁pHが低いもの並びにペースト作製直後のたまねぎ及びにんにくは発酵せず、いちじく等糖度が高いものは発酵が遅くなる。

2 ペーストの初発菌数により大腸菌群陰性となる発酵時間は変化する。

3 製造・販売する場合は自治体もしくは小売業者の衛生規格基準に準拠すること。

4 乳酸菌ウオヌマ株は新潟県が保有する特許微生物であるため、使用の際は新潟県に許諾申請を行う必要がある。

5 本成果は低温でも増殖できるウオヌマ株の特長を活用した技術である。その特長は、平成25年度 新潟県農林水産業研究成果集(成果名:雪室育ちの新規乳酸菌ウオヌマ株の特長と雑菌増殖抑制方法)に記載されている。


[具体的データ]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


図1 非加熱農産物ペーストの作製方法

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


図2 乳酸菌数の経時変化      図3 オルニチン含量の経時変化

オルニチンを含む食品とその含有量(100gあたり)
 しじみ;10-15mg、マグロ;2-7mg、チーズ;0.7-8mg
図のシンボルはこの時点の大腸菌群の
有無を表す。▲;陽性、○;陰性
                 

 

 

表1 各種農産物の発酵ペースト適性

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


[その他]

研究課題名:新潟オリジナル乳酸菌による加工食品素材の開発

予算区分:県単政策(食品加工技術・新食材開発)

研究期間:平成2527年度

発表論文等:なし

 

新潟県農業総合研究所食品研究センター

園芸特産食品科

連絡先

TEL 0256-52-3240

FAX 0256-52-6634