平成27年度 研究成果情報
緑肥植物ヘアリーベッチのすき込みによる大豆の増収技術
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[要約]

 水稲後作に籾殻補助暗きょ等の排水対策を実施して、緑肥植物のヘアリーベッチを植栽し、春期にすき込むことによって、大豆が増収する。 

[背景・ねらい]

 近年の大豆の収量は、地力の低下等により低迷して問題になっている。そこで、緑肥植物のヘアリーベッチを導入することによって、地力を増進し大豆の収量の向上を図る。

[内容]

  1. 籾殻補助暗きょ等の排水対策を実施して、ヘアリーベッチを植栽し、大豆の播種前にすき込むことによって緑肥としての効果を得ることができる(図1)。
  2. 大豆栽培前年の水稲立毛中にヘアリーベッチの生育に必要な根粒菌をかん水と同時に滴下しながらほ場全体に均一に接種する(図2-①)。2作目以降の接種は不要である。
  3. 水稲刈取り後にヘアリーベッチ種子を動力散布機で10アール4kg程度播種する(図2-②)。ヘアリーベッチには肥料の施用は不要である。
  4. ヘアリーベッチの播種前もしくは後に、圃場の排水性を高めるために作溝もしくは籾殻補助暗きょを2.5m間隔程度で施工する(図2-③)。
  5. ヘアリーベッチの生育量は、草冠高が概ね60cmをめやすとする。これを超える場合は、窒素発現量が過剰になる恐れがあるため、大豆の栽植密度を下げる(図2-④)。
  6. ヘアリーベッチの細断は、耕起前に5月中旬にフレールモアを用いて行う(図2-⑤)。
  7. ヘアリーベッチのすき込みにより、大豆作での基肥は不要である。

[導入効果]

 地力の低下を抑えることにより、大豆の収量の安定化に寄与する。

[導入対象]

 県内の水稲-大豆ブロックローテーションで地力が低下し、大豆の10アール当たり収量が150kgを下回る地域

[留意点]

  1. ヘアリーベッチは、耐寒性・耐雪性品種を用いる。
  2. ヘアリーベッチ種子を播種時は、畦畔、農道、水路に飛散しないように注意する。
  3. ヘアリーベッチの細断には、フレールモアが必要である。
  4. 根粒菌は大豆根粒菌と異なるため、導入の際は作物研究センターに問い合わせる。
  5. ヘアリーベッチの栽培の詳細は、普及指導センター配布済みの「ヘアリーベッチを利用したダイズ・エダマメ増収技術マニュアル」(ダイズ・エダマメ増収コンソーシアム)を参照する。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名:排水不良転換畑における緑肥植物と籾殻補助暗渠による大豆・エダマメ多収技術の確立
予算区分  :農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業
研究期間  :平成24~26年度
発表論文等:土壌肥料学会(口頭2件)、北陸作物学会(口頭1件)、農業農村工学会(口頭1件)
農業総合研究所作物研究センター 栽培科 連絡先 TEL 0258-35-0836
FAX 0258-35-0021