平成27年度 研究成果情報
コシヒカリの有機入り肥料栽培において出穂期前に緊急追肥が必要なSPAD値のめやす
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[要約]

 50%有機入り肥料によるコシヒカリの栽培において、出穂期6日前のSPAD値が33以下のときに、窒素成分で1kg/10aの追肥を出穂期3日前に施用すると玄米タンパク質含有率は6.5%以下で基部未熟粒が減少する。   

[背景・ねらい]

 高温登熟下において、新潟県産米の一等米比率は大きく変動している。主な格下げ理由は基部未熟粒であり、登熟期の栄養不足が要因と考えられ、緊急的に追加の穂肥対応が求められている。一方、食味・品質ガイドラインで玄米タンパク質含有率の上限は6.5%である。そこで、県内で多く使われている有機入り肥料での玄米タンパク質含有率を6.0%程度で、かつ、玄米外観品質を向上させる出穂前の穂肥診断方法を提示する。

[内容]

  1. 50%有機入り肥料を利用した場合、高温登熟下で発生する基部未熟粒の発生を抑え、整粒歩合を高め、かつ、玄米タンパク質含有率の目標値を達成するために、出穂期6日前のSPAD値に応じて穂肥施用を判断する。
  2. 出穂期6日前のSPAD値が34以下のとき、追肥により基部未熟粒が減少するが(図1)、SPAD値が34では無追肥でも玄米タンパク質含有率が6.5%を超える場合があるため(図2)、SPAD値のめやすは33とする。
  3. 出穂期3日前の追肥は、基部未熟粒の減少効果が高い。また、出穂期に追肥すると玄米タンパク質含有率が6.5%以上となる場合があるため、出穂期3日前を目標に追肥する(図2、3)。
  4. 出穂期3日前に窒素成分で2kg/10aを追肥すると、玄米タンパク質含有率が6.5%を超える恐れがあるため、追肥量は窒素成分で1kg/10aをめやすとする(図4)。

[導入効果]

 基部未熟粒の発生を減少させ、玄米品質向上に寄与する。

[導入対象]

 穂肥分施体系で有機質配合肥料を利用するコシヒカリ生産者

[留意点]

  1. 作物研究センター(細粒質グライ土)の有機質割合50%の肥料を用いた試験である。SPAD値は第2葉を測定した。
  2. 出穂期6日前のめやすは、出穂期10日前に2回目の穂肥を施用後約4日後である。
  3. 登熟期が低温な場合には、玄米タンパク質含有率が高まる可能性があるため、気象予報を考慮して、追肥施用の判断を行う。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名:水稲品質向上技術開発事業 Ⅰ 高温条件等に対応する生産技術の開発
予算区分  :県単特別
研究期間  :平成23~27年度
発表論文等:なし
農業総合研究所作物研究センター 栽培科 連絡先 TEL 0258-35-0836
FAX 0258-35-0021