平成27年度 研究成果情報
コシヒカリの過剰籾数を抑制する1回目穂肥施用のための生育診断
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[要約]

 栽植密度と幼穂形成期の茎数及びSPAD値から株当たり籾数が推定でき、目標とする籾数よりも多く推定された場合、1回目の穂肥量を減らすことで、過剰籾数を抑制することができる。   

[背景・ねらい]

 新潟県産米の一等米比率が大きく変動している要因の一つとして過剰籾数がある。コシヒカリの食味と品質を両立させるためには適正籾数の確保が重要である。平成25年度の研究成果で化成肥料での推定式を作成したが、農家が実際に栽培すると適合しない場合があり、その要因として栽植密度の違いが考えられた。そこで、気象感応ほの生育データを用いて、栽植密度の違いを考慮し、過剰籾数を抑えるための穂肥診断方法を改善する。

[内容]

  1. 栽植密度(株/㎡)と幼穂形成期に調査した株当たり茎数(本/株)×SPAD値から株当たり籾数(粒/株)を推定できるため、過剰籾数を抑える穂肥診断ができる(表)。
  2. 具体的な方法として、栽植密度50株と60株の場合の籾数28,000粒/㎡となる幼穂形成期の茎数(本/株)とSPAD値の関係を図1に示した。茎数とSPAD値の交点が図の曲線より上位にある場合には、28,000粒/㎡を超える可能性があるため減肥する。
  3. 減肥する量の目安として、栽植密度50株と60株の場合の幼穂形成期の株当たり茎数(本/株)とSPAD値の積値と1回目の穂肥量に応じた推定籾数の関係を図2及び図3に示した。この図の関係から減肥量を決定する。

[導入効果]

 過剰籾数を抑制することで、乳白粒等を減少させ、玄米品質向上に寄与する。

[導入対象]

 穂作栽培指導者及び稲作栽培農家

[留意点]

  1. 推定式には普及センターの気象感応ほの平成11~25年のデータを用いた。
  2. 地力の高いほ場や乾土効果が高い年は推定値よりも籾数が多くなる可能性があるため、減肥の量を多くする。
  3. 1回目の穂肥施用は倒伏に大きく関与するため、平成23年度活用技術「気象変動に対応する高品質コシヒカリ生産のための幼穂形成期の生育目安」を参考にして判断する。

[具体的データ]



[その他]

研究課題名:水稲品質向上技術開発事業 Ⅰ 高温条件等に対応する生産技術の開発
予算区分  :県単特別
研究期間  :平成23~27年度
発表論文等:なし
農業総合研究所作物研究センター 栽培科 連絡先 TEL 0258-35-0836
FAX 0258-35-0021