平成27年度 研究成果情報
コシヒカリの有機入り肥料栽培における倒伏回避のための生育めやす
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[要約]

 基肥に50%有機入り肥料を施用したコシヒカリの幼穂形成期における草丈とSPAD値の積値が2,400以下であれば、出穂期18日前に穂肥を窒素成分で1kg/10a施用でき、出穂期後30日の倒伏程度が3以下におさまる。 

[背景・ねらい]

 コシヒカリの倒伏による品質低下を避けるための生育めやすは、幼穂形成期の草丈とSPAD値の積値を2,500未満としている。しかし、有機入り肥料栽培は化学肥料栽培と異なる生育パターンを示すことが考えられるため、有機入り肥料に対する倒伏回避のための生育基準を策定し、コシヒカリの倒伏を回避して品質向上を目指す。

[内容]

  1. 基肥に50%有機入り肥料を施用した場合、稈長が93cm以下であれば、出穂期後30日の倒伏程度が3以下(倒伏中位)になる(図1)。
  2. 有機入り肥料栽培では化学肥料栽培と比べて稈長が伸びやすいため、稈長を93cm以下に抑えるためには、幼穂形成期の草丈とSPAD値の積値で2,400がめやすとなる(図2)。
  3. 出穂期18日前の穂肥が第2及び第3節間の伸長への影響は小さいが、第1節間が伸長しやすい(図3)。
  4. 稈長を93cm以下に抑え倒伏を回避するためには、出穂期18日前の穂肥量は窒素成分で1kg/10aをめやすとする(図4)。幼穂形成期の草丈とSPAD値の積値が2,400を超えるときは、出穂期18日前の穂肥は施用しない。

[導入効果]

 有機入り肥料栽培でのコシヒカリの倒伏を軽減し、収量と品質の安定に寄与する。

[導入対象]

 穂肥分施体系で有機質配合肥料を利用するコシヒカリ生産者

[留意点]

  1. このめやすは、基肥及び穂肥に50%有機入り肥料を使用した場合であり、出穂期18日と10日の穂肥の分施を前提としている。
  2. めやすによる具体的な穂肥施用方法は「水稲栽培指針」に従うが、倒伏及び出穂前の葉色低下は幼穂伸長期間の気象により変動するため、直近の気象予報と併せて判断する。
  3. 長岡市平坦部の細粒グライ土壌で、比較的地力が高く倒伏程度が大きくなりやすい地域での試験結果に基づいている。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名:水稲品質向上技術開発事業 Ⅰ 高温条件等に対応する生産技術の開発
予算区分  :県単特別
研究期間  :平成23~27年度
発表論文等:なし
農業総合研究所作物研究センター 栽培科 連絡先 TEL 0258-35-0836
FAX 0258-35-0021