平成27年度 研究成果情報
コシヒカリの有機入り肥料栽培における移植前追肥が本田初期生育に及ぼす効果
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[要約]

 コシヒカリの50%有機入り肥料栽培の稚苗育苗において、初期の茎数確保を容易にするため、適正な育苗日数の健苗を移植する。育苗日数が長くなる場合や低温条件では、移植前追肥をすることで初期生育の確保が早まり、中干しが適期に実施できる。    

[背景・ねらい]

 稚苗育苗における育苗日数は、春先の変動気象による本田作業やマット形成の遅れを見込むため、長くなりやすい。コシヒカリの有機入り肥料栽培では、移植後に初期の分げつの発生が遅れやすい。そのため中干しが遅れ、生育が後ずれし、品質が不安定となっている。そこで、中干しの適期実施に向けた初期生育の向上のため、稚苗の適正な育苗日数と、老化苗を含めた移植前追肥の効果について検討する。

[内容]

  1. 育苗日数20~21日の健苗に比べて、育苗日数27日以上の老化苗は活着が劣り、移植1か月後の茎数が少ない(図1、2)。特に田植え後が低温の場合、初期の茎数増加が緩慢になるため、適正な育苗日数(20日がめやす)の健苗を移植する。
  2. 移植4日前に箱当たり窒素2gを施用することで、活着が早まって株の引抜き抵抗値が高くなり、茎数が増加する(図1、2)。
  3. 老化苗を移植し、低温となった場合でも、移植前追肥によって中干し時に必要な茎数の確保が早まり、中干しの開始を早めることができる(図3)。

[導入効果]

 茎数の早期確保により、中干しが適期に実施でき、収量及び品質が安定する。

[導入対象]

 有機質配合肥料を利用するコシヒカリ生産者

[留意点]

  1.  健苗への移植前追肥は、過剰分げつになる場合があるため、生育に合わせて中干しを適期に実施し、生育量の適正化に努める。
  2.  徒長苗やマット形成が不良な苗は、移植前追肥により障害が発生することがあるので施用を控える。
  3.  供試した苗は、播種量が箱当たり乾籾140gの稚苗で、加温出芽した。移植前追肥は硫安または細粒化成肥料(移植前専用肥料、C社製)を用いた。また、本田の基肥は50%有機入り肥料を用いた。

[具体的データ]







[その他]

研究課題名:1 水稲品質向上技術開発事業
        2 佐渡における水稲栽培技術の改善と高位安定化
予算区分  :1 県単特別 2 県単経常
研究期間  :1 平成23~27年度 2 平成24~26年度
発表論文等:なし
農業総合研究所作物研究センター 栽培科 連絡先 TEL 0258-35-0836
FAX 0258-35-0021
 農業総合研究所佐渡農業技術センター 連絡先  TEL 0259-63-4102 
FAX 0259-63-3972