ネオニコチノイド剤1回散布によるアカヒゲホソミドリカスミカメの防除法

[要約]

  クロチアニジン剤、ジノテフラン剤を使用することで、アカヒゲホソミドリカスミカメに対する薬剤散布回数を従来の2回から1回に減らすことができる。オオトゲシラホシカメムシも防除対象とした場合の散布適期は出穂期3日後頃(穂揃い期)〜出穂期10日後である。

[背景・ねらい]

  アカヒゲホソミドリカスミカメに対しては出穂期7〜10日後とその7〜10日後の2回の殺虫剤散布が必要である(平成14年度普及技術)。近年新たに開発されたクロチアニジン剤やジノテフラン剤などのネオニコチノイド系殺虫剤は、本種に対して高い殺虫効果と優れた残効性があるとされる。 これら殺虫剤の使用による散布回数の削減と適期幅拡大の可能性を検討し、効率的な薬剤防除法を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

  1. アカヒゲホソミドリカスミカメに対して、クロチアニジン剤(ダントツ)、ジノテフラン剤(スタークル/アルバリン)の出穂期9日後の1回散布は、散布後、収穫期まで成幼虫に対して高い密度抑制効果があり、斑点米発生抑制効果も高い(図1、図3)。また、出穂期3日前の散布も、収穫期まで高い密度抑制効果がある(図2)。
  2. オオトゲシラホシカメムシとの混発条件では、出穂期前の散布では斑点米発生抑制効果が不十分である(図4)。オオトゲシラホシカメムシに対しては、従来から使用されてきた殺虫剤と同じように、穂揃い期を中心とした散布が有効とみられる。
  3. クロチアニジン剤、ジノテフラン剤を使用することで、アカヒゲホソミドリカスミカメに対するこれまでの2回散布を1回に減らすことができる。通常見られるオオトゲシラホシカメムシ混発条件下でのアカヒゲホソミドリカスミカメに対する散布適期は、出穂期3日後頃(穂揃い期)〜出穂期10日後である。

[成果の活用面・留意点]

  1. アカヒゲホソミドリカスミカメに対しては、上記散布時期の範囲で遅い時期の散布で防除効果が高く、安定する。出穂期が早い、割れ籾が多いなどアカヒゲホソミドリカスミカメによる加害が多発生しやすい条件では遅めの散布とする。
  2. 出穂期の間隔が7日程度以内であれば、異なる品種、ほ場を対象とした一斉散布にも適用できる。
  3. クロチアニジン粉剤には成分含有率が0.15%と0.5%の2種類がある。この技術では、0.5%剤を使用する。
  4. オオトゲシラホシカメムシの多発生条件では防除効果が不安定になりやすいので、適切な畦畔除草を行い、あらかじめその密度を低下させておく。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名:予察に基づくアカヒゲホソミドリカスミカメ防除体系の確立
予算区分:県単特別
研究期間:平成14〜16年度
発表論文等:第57回北陸病害虫研究会
農業総合研究所 作物研究センター 栽培科 連絡先 TEL 0258-35-0047
FAX 0258-35-0021