8月下旬の薬剤散布による マメシンクイガの防除法

タイトル 大豆の重要害虫であるマメシンクイガの薬剤防除法に関する成果情報です。
マメシンクイガと大豆の被害 マメシンクイガの幼虫は大豆の莢内に入り込み、子実を加害します。その結果、収量の減少や出荷品への被害粒の混入による品質低下を招きます。
マメシンクイガの発生消長と防除適期の関係 成虫は8月中旬から発生し、大豆の莢の表面などに産卵します。ふ化した幼虫は莢内に入ります。莢内に入った幼虫には殺虫剤の効果は期待できませんので、ふ化後、莢内に入るまでの幼虫が主な防除対象となります。防除適期は、残効が短い殺虫剤(スミチオン乳剤やトレボン乳剤など)では、ふ化盛期の9月上旬、残効の長い殺虫剤(パーマチオン水和剤)ではふ化が始まる8月第6半旬であることが、これまでに示されています。
現在の薬剤防除法の問題点と改善方向 マメシンクイガの防除適期は、先ほど示したように8月第6半旬〜9月第2半旬です。一方、大豆の重要病害虫はとして、マメシンクイガなどの子実加害害虫の他に紫斑病があります。紫斑病の防除適期は、1回散布では開花4週間後(通常、8月20日頃)、2回散布ではこの前あるいは後に1回追加されます。また、極早生水稲は8月下旬から、早生水稲は9月上旬から収穫が始まります。
マメシンクイガと紫斑病の防除適期 マメシンクイガの防除適期と紫斑病の防除適期を図示しています。マメシンクイガの防除時期は紫斑病より早いことから、これをもう少し早めることにより、紫斑病との同時防除が容易になります。また、稲の収穫作業との競合も回避しやすくなります。
使用した殺虫剤の特性 早い時期の散布でもマメシンクイガに対する防除効果が高い殺虫剤の候補を選定し、試験を行いました。候補の殺虫剤は、プレバソンフロアブル5とアディオン乳剤です。いずれもチョウ目害虫に高い効果があり、残効性に優れると評価されている殺虫剤です。
2種殺虫剤の散布日別の防除効果 プレバソンフロアブル5とアディオン乳剤を、それぞれ、8月第5半旬、8月第6半旬、9月第1半旬に1回散布し、被害粒率により防除効果を比較しました。同じ試験を2回行い、2剤ともに8月第6半旬散布の効果が最も高く、その前後の散布では効果がやや劣る結果が得られました。
2種殺虫剤の散布日別の防除効果 同様の試験ですが、1回目散布が8月20日で、先ほどの事例より早い散布です。この8月20日の散布では、殺虫剤の種類によって被害粒率に違いがあり、プレバソンフロアブル5の効果が高いことがわかります。
2種殺虫剤の散布日別の防除効果 以上の試験結果のまとめです。8月第5半旬の散布では、アディオン乳剤とプレバソンフロアブル5のいずれも使用できますが、アディオン乳剤は早い時期の散布では効果が低下しやすいので、25日に近い時期の散布に限定します。また、いずれの殺虫剤も適期散布(第6半旬)に比べ効果は低いので、マメシンクイガが少〜中発生のほ場を対象にします。8月第6半旬の散布には、これらいずれの殺虫剤も使用でき、高い効果が期待できます。
主要殺虫剤の散布時期と防除効果 これは他の殺虫剤も含めて、散布時期別の防除効果のまとめです。殺虫剤によって、防除適期と効果の程度に違いがありますので、防除時期やマメシンクイガの発生量を踏まえて適切な殺虫剤を選定してください。
薬剤防除の留意点 大豆の薬剤防除の一般的な留意点です。高い防除効果を確保するには、これらにも十分留意することが必要です。

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