コシヒカリの有機入り肥料栽培における倒伏回避のための生育めやす  栽培科高品質栽培

タイトル コシヒカリの有機入り肥料栽培における倒伏回避のための生育めやすについて紹介します。
背景・ねらい 新潟県における一般的なコシヒカリの栽培法である、有機入り肥料栽培の問題点について、説明します。
まず、稚苗の育苗期間が長くなっています。
長すぎる育苗期間の苗を移植するため、初期生育が劣り、初期の分げつの確保が遅れる傾向があります。
そして、分げつの確保のために中干しの開始時期を遅らせた結果、幼穂形成期に軟弱な稲や、過剰生育の稲となり、穂肥が不十分となりがちです。
このため、出穂後の高温に対応できる十分な後期栄養が不足し、品質が不安定となります。
以上のことから、高品質安定生産のためには、まず適正な育苗による本田の初期生育の向上が課題です。
コシヒカリの倒伏による品質低下を避けるための生育めやすは、平成23年度の活用技術で化学肥料栽培についての報告があり、倒伏程度3.5未満で、品質低下をさける コシヒカリ幼穂形成期の生育目安は草丈と葉色の積値2,500未満であるとしています。
しかし、有機入り肥料栽培は化学肥料栽培と異なる生育パターンを示すと考えられることから、有機入り肥料に対する倒伏回避のための生育基準を策定することで更なるコシヒカリの品質向上を図ることを目的に、調査を行いました。
有機入り肥料を元肥に施用した場合の稈長と倒伏程度の関係 50%有機入り肥料を基肥に施用した場合の稈長と倒伏程度の関係を図1に示します。
倒伏程度が3.5を超えるものを点線の四角で囲いました。
図のように、稈長が93僂鯆兇┐襪氾殄程度が3を超える場合があることが分かります。
有機入り肥料を元肥に施用した場合の稈長と倒伏程度の関係 すなわち、稈長が93儖焚爾任△譴弌⊇佇羇後30日の倒伏程度が3(倒伏中位)以下になることが分かりました。
基肥肥料の種類に対する幼穂形成期の草丈と葉色の積値と稈長の関係 図2には、基肥肥料の種類に対する幼穂形成期の草丈と葉色の積値と稈長の関係を示しています。
緑色のブロットおよび近似直線は化学肥料栽培を行った場合、オレンジ色のブロットおよび近似直線は有機入り肥料栽培を行った場合のものを示します。
それぞれの近似直線を見ると、有機入り肥料は化学肥料と比べて稈長が伸びやすいことが分かります。
基肥肥料の種類に対する幼穂形成期の草丈と葉色の積値と稈長の関係 化学肥料の場合、倒伏程度が3以下に収まる稈長が93儖焚爾任△譴弌∧神23年度の活用技術で報告されているように、草丈と葉色の積値は2,500未満になる傾向がみられます。
基肥肥料の種類に対する幼穂形成期の草丈と葉色の積値と稈長の関係 しかし、有機入り肥料の場合、稈長93儖焚爾任△譴弌∩霈罎藩嫂Г寮冀佑2,400未満となる傾向が見られました。
まとめると、有機入り肥料栽培では化学肥料栽培と比べて稈長が伸びやすいため、稈長を93儖焚爾僕泙┐襪燭瓩砲蓮⇒鎚羞狙期の草丈とSPAD値の積値で2,400がめやすとなることが分かりました。
出穂期18日前穂肥の施用量と節間長の関係 図3に出穂期18日前穂肥の施用量と節間長の関係を示します。
出穂期18日前の穂肥は第2及び3節間の伸長への影響は小さいものの、第1節間が伸長しやすくなりました。
窒素量で1垰寨僂両豺隋第1節間長は無施肥の場合と大差がないものの、2垰寨僂両豺腓詫意に長くなりました。
出穂期18日前穂肥の施用量と倒伏の関係 図4に出穂期18日前穂肥の施用量に対する稈長と倒伏の関係を示します。
稈長は、穂肥の施肥量が多いほど伸長しやすく、窒素量で2垰寨僂両豺腓蓮≪団垢93儖幣紊砲覆觀晃があり、倒伏程度も大きくなります。
したがって、稈長を93儖焚爾僕泙倒伏を回避するためには、出穂期18日前の穂肥量は窒素成分で1/10aがめやすになります。
ただし、幼穂形成期の草丈とSPAD値の積値が2,400を超えるときは、出穂期18日前の穂肥の施用は控えてください。
要約 以上の結果の要約です。
基肥に50%有機入り肥料を施用したコシヒカリの幼穂形成期における草丈とSPAD値の積値が2,400以下であれば、出穂期18日前に穂肥を窒素成分で1/10a施用でき、穂期後30日の倒伏程度が3以下におさまると考えられます。
導入効果・留意点 本成果の導入効果は、有機入り肥料栽培でのコシヒカリの倒伏を軽減し、収量と品質の安定に寄与します。
留意点として、
1 このめやすは、基肥及び穂肥に50%有機入り肥料を使用した場合であり、出穂期前18日と10日の穂肥の分施を前提としています。
2 めやすによる具体的な穂肥施用方法は「水稲栽培指針」に従いますが、倒伏及び出穂前の葉色低下は幼穂伸長期間の気象により変動するため、直近の気象予報を併せて判断して下さい。
3 長岡市平坦部の細粒グライ土壌で、比較的地力が高く倒伏程度が大きくなりやすい地域での試験結果に基づいています。

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