平成26年度 研究成果情報
県内水田土壌の30年間の変化と今後の対策
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[要約]

 県内の水田土壌を5年毎に30年間調査した結果、土壌の酸性化およびケイ酸不足が認められ、多くの地点で土づくり資材の施用が必要である。一方、加里飽和度・有効態リン酸および可給態窒素は上昇傾向である。

[背景・ねらい]

  環境保全型農業の推進や肥料価格の高騰、田畑輪換、圃場整備等により水田土壌を取り巻く環境が近年大きく変化している。そのため、水田土壌の理化学性等の変化をこれまでの土壌調査から明らかにし、土壌診断に基づく土壌管理の適正化を図る。。

[内容]

  1.  作土深の平均は、14.1cmで約60%が県推進目標の15cm未満であり、徐々に深耕する必要がある。
  2.  可給態ケイ酸はほとんどの地点で基準値未満であり、ケイ酸質資材の施用が必要である。
  3.  土壌pH(HO )は60%以上で基準値未満である。また、石灰飽和度、苦土飽和度は低下傾向で土壌の酸性化が除々に進んでおり、石灰質資材等の施用が必要である。
  4.  加里飽和度は60%以上の地点で基準値を超過しており、加里の減肥が必要である。
  5.  遊離酸化鉄は約40%の地点で基準値未満であり、含鉄資材の施用が必要である。
  6.  有効態リン酸は蓄積傾向であり減肥が必要であるが、一方で依然として30%以上の地点で基準値未満である。
  7.  加給態窒素は上昇傾向であり、稲わらすき込み等の効果がみられる。

[導入効果]

 県内水田土壌の理化学性の変化および養分の過不足の程度を明らかにし、土づくりの動機付けとなる。

[導入対象]

 稲作栽培指導者

[留意点]

  1.  土壌環境基礎調査(定点調査)約420地点/5年、土壌モニタリング調査84地点/5年の結果であり、調査は同一圃場を5年間隔で実施した。
  2.  調査対象の水田は畑転換履歴があるものも含んでいる。
  3.  個々の圃場においては、土壌診断に基づく適切な資材の施用と土づくりを実践する。
  4.  加里の減肥のめやすについては、「新潟県における施肥コスト低減のすすめ方」を参照する。
  5.  ケイ酸の基準値は酢酸緩衝液法では15mg/100gであるが、本成果の分析値は湛水保温培養法によるため、北海道の基準値を参考に16mg/100gとした。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名:土壌環境基礎調査事業、土壌機能増進対策事業
予算区分  :県単事業(農産園芸課)
研究期間  :昭和57~平成10年度、平成11~30年度
発表論文等:平成20年度研究情報「新潟県の低地水田土壌における土壌炭素含有率の変化と土壌管理による変動」
農業総合研究所基盤研究部 連絡先 TEL 0258-35-0826
FAX 0258-35-0021