活用技術 平成25年度
雑草共存環境におけるコシヒカリ有機栽培に必要な基肥窒素施肥量
※PDF版はここをクリック→雑草共存環境におけるコシヒカリ有機栽培に必要な基肥窒素施肥量

[要約]

 コナギなどの地際に繁茂する雑草が優占する水田において、幼穂形成期頃の雑草残草量が100g/m2 (乾物重) 程度と見込まれる場合、目標収量480kg/10a に必要な基肥施肥窒素量の目安は市販有機肥料で6kg/10a である。

[背景・ねらい]

 化学合成除草剤に依存せずに水田雑草を根絶するためには労力的・経済的負担が甚大となることや、雑草も農地生態系の一部であることを考慮すると、収量に深刻な影響を及ぼさない範囲までは雑草を許容する、という考え方も必要になる。そこで、雑草との養分競合に注目して施肥設計を見直し、雑草共存環境における基肥窒素施肥量を提示する。

[成果の内容・特徴]

  1.  基肥窒素量の増加と共に、幼穂形成期頃の雑草乾物重と窒素収奪量は増加するが、水稲の生育量と窒素吸収量も増加する (図1)。幼穂形成期頃の雑草残草量が100g/m2 程度の場合 (図3・4)、基肥窒素の約4割が雑草に収奪される (図1)。
  2.  幼穂形成期頃の雑草残草量が50g/m2 程度の場合、基肥施用窒素が3kg/10a でも6kg/10aでも収量差はないが、雑草残草量が100g/m2 程度の場合、基肥施用窒素が3kg/10a だと減収が大きく、6kg/10a では減収が小さい (図2)。追肥窒素量は一律3kg/10a である。
  3.  目標収量480kg/10a に必要な基肥施用窒素量の目安は、幼穂形成期頃の雑草残草量が100g/m2 程度の条件では6kg/10a、50g/m2 程度の条件では3kg/10a である。追肥施肥量は生育状況に合わせて調節する。

[成果の活用面・留意点]

  1.  本成績に使用した市販有機肥料 (T 社製)、発酵鶏糞 (S 社製) の表示窒素含量は7.2%、4%であるが、栽培期間中の有効窒素含量はその半分程度である (データ略)。
  2.  ヒエ、タデ、クサネムなどの水稲よりも草丈の高い雑草が優占する水田では、養分競合だけでなく光競合も懸念されるため、本技術の適用には注意を要する。
  3.  本成績は、長岡市、佐渡市の有機栽培試験水田と新潟市の有機JAS 認証水田における試験結果である。長岡、新潟水田は化学合成除草剤不使用歴10 年以上、可給態窒素量は18g、20g/100g、成苗マット苗移植である。佐渡水田はポット成苗移植である。
  4.  ポット苗は初期生育が旺盛となるため、雑草共存環境における適性は高い (データ略)。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名:有機農産物安定生産のための肥培管理技術の確立
予算区分 :県単事業
研究期間 :平成23〜24 年度
発表論文等:なし
農業総合研究所基盤研究部 連絡先 TEL 0258-35-0826
FAX 0258-39-8498
農業総合研究所佐渡農業技術センター 連絡先 TEL 0259-63-4102
FAX 0259-63-3972