活用技術 平成25年度
高収量が期待できるきゅうりの循環型養液栽培技術
※PDF版はここをクリック→高収量が期待できるきゅうりの循環型養液栽培技術

[要約]

 木質チップ炭を培地としたきゅうりの循環型養液栽培は、土耕栽培と比較して1.5 倍以上の収量が得られる。また、排液が施設外に排出されないため環境負荷がが少ない。

[背景・ねらい]

 きゅうりは養液栽培の有利性が十分に発揮できない品目とされており、導入事例は非常に少ない。また、かけ流し方式では養分供給量が多いため施肥コストや環境に与える影響が問題となる。そこで、きゅうりの循環型養液栽培技術を確立し生産拡大を図る。

[成果の内容・特徴]

  1.  栽培システムは、栽培ベッド、給排液タンク、給液ポンプ、フィルター、点滴チューブ、給液用タイマー、自動液肥添加装置、液肥タンクなどで構成する(図1)。
  2.  培養液組成はCa やMg の蓄積を防ぐために新潟園研キュウリ処方とする(図1)
  3.  養液管理は循環型で行い、1日の株当たり供給量は窒素成分で半促成作型では80 〜400mg、抑制作型では80 〜 240mg とし、定期的に液肥添加前の給排液タンク内EC を測定してEC が2dS/m を超えないように天候や生育状況によって調整する(図1)
  4.  整枝方法はつる下げ整枝とし、誘引枝を半促成作型では収穫終了予定の2週間前、抑制作型では3週間前に摘心し、養分供給を停止する。
  5.  培養液は6 〜 18 時に1回当たり500ml/株を45 〜 60 分間隔で供給する。
  6.  節成り性の高い品種が適しており、半促成作型では「フレスコダッシュ」、抑制作型では「超・彩軌」で収量性が優れる(図2)
  7.  土耕栽培と比較して1.6 倍の商品果収量が得られる(図3)。

[成果の活用面・留意点]

  1.  県内全域の施設で適用が可能。
  2.  木質チップ炭の特性については、平成21 年度活用技術「木質チップ炭は養液栽培の培地に適する」を参照。
  3.  原水は水道水(EC 0.08dS/m)を使用し、肥料はO 社の養液栽培用肥料を用いた。
  4.  自動液肥添加装置はE 社から販売されている。
  5.  導入に当たっては養液栽培基準に適合した水質の水を確保する。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名:施設園芸における高度環境制御技術の開発
予算区分 :国委
研究期間 :平成22 〜 24 年度
発表論文等:園芸学会平成23 年度秋季大会
農業総合研究所園芸研究センター 環境・施設科 連絡先 TEL 0254-27-5555
FAX 0254-27-2659