活用技術 平成25年度
高温登熟下でコシヒカリの基部未熟粒を減らす出穂前追肥
※PDF版はここをクリック→高温登熟下でコシヒカリの基部未熟粒を減らす出穂前追肥

[要約]

 高温登熟下で出穂期3日前の葉色(SPAD 値)が31 以下のときに、窒素成分で1kg/10a の穂肥を施用すると玄米タンパク質含有率は6.0%程度で、かつ基部未熟粒が減少して整粒歩合を向上できる。

[背景・ねらい]

 高温登熟下において、県産米の一等級比率は大きく変動している。主な格下げ理由は基部未熟粒であり、登熟期の栄養不足が要因と考えられている。一方、食味・品質ガイドラインで玄米タンパク質含有率の上限は6.5%に設定されている。そこで、高温登熟が予想される場合の目標の玄米タンパク質含有率を6.0%で、かつ、整粒歩合を向上させる出穂3日前の穂肥診断方法を確立する。

[成果の内容・特徴]

  1.  高温登熟下で外観品質と玄米タンパク質含有率の目標を両立するためには、出穂期3日前の葉色に基づいて、穂肥を施用することが必要である。
  2.  出穂期3日前のSPAD 値が高いと玄米タンパク質含有率が高くなり、窒素成分2 s/10aの穂肥は6.5%を超える危険があるため、SPAD 値31 以下の場合に、窒素成分1kg/10aを上限として追肥する(図1)
  3.  出穂期3日前の葉色(SPAD 値)が低いと基部未熟粒が増加し、出穂期3日前の穂肥施用で、基部未熟粒を減少させる効果があるため、SPAD 値31 以下の場合に窒素成分1kg/10a を上限として追肥する(図2)。
  4.  具体的には、高温登熟が予想される場合、出穂期3日前のSPAD 値が31 以下で、窒素成分1kg/10a を追肥することにより、出穂後のSPAD 値が高く維持され(図3)、玄米タンパク質含有率は6.0%程度で基部未熟粒が減少し、整粒歩合が高くなる(図4)

[成果の活用面・留意点]

  1.  作物研究センター(細粒質グライ土)の化学肥料試験の結果である。有機質肥料追肥は肥効が遅れる場合がある。
  2.  8月の平均気温が、平成23 年26.5℃(平年差+1.1℃)、平成24 年27.5℃(同+2.1℃)の高温登熟年の試験結果である。高温が予想されていない場合でも、出穂前にSPAD 値が30 を下回る場合は追肥の検討が必要である。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名:水稲品質向上技術開発事業 T高温条件等に対応する生産技術の開発
予算区分 :県単事業
研究期間 :平成23〜24 年度
発表論文等:平成24 年度日本水稲品質・食味研究会第4回講演会発表
農業総合研究所作物研究センター 栽培科 連絡先 TEL 0258-35-0836
FAX 0258-35-0021