活用技術 平成25年度
コシヒカリの適正籾数確保のための1回目穂肥診断法
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[要約]

 コシヒカリの籾数は幼穂形成期の茎数と葉色及び1 回目の穂肥窒素量による重回帰式から求めることができ、適正籾数に誘導するための穂肥診断法として利用する。

[背景・ねらい]

 コシヒカリの品質安定化のためには適正籾数の確保が重要である。1回目の穂肥は籾数に影響するが、現在、適正籾数の確保のための1回目の穂肥診断方法がない。そこで、1回目の穂肥施用が可能かを判断できる生育のめやすを明らかにし、気象変動下での品質向上に資する。

[成果の内容・特徴]

  1.  m² あたり籾数は、1 回目穂肥窒素量(X1)、幼穂形成期茎数(X2)、幼穂形成期葉色(X3)による重回帰式から推定できる(表1)。1回目穂肥窒素量1kg/10a 施用で約2,000 粒の籾数が確保できる。
  2.  コシヒカリは総籾数28 千粒/m² を超えると乳白粒が多くなる(図1)。
  3.  適正な籾数を確保するため、出穂期23 日前頃の幼穂形成期に茎数と葉色(SPAD 値)を調査し、出穂期18 日前に1回目の穂肥が施用できるかを判断する。
  4.  具体的に適正籾数を28 千粒/m² とし、1回目の穂肥窒素量として1kg/10a 施用した場合を示した(図2)。図中の葉色と茎数の交点が適正籾数の範囲であれば、穂肥1kg/10a施用で籾数28 千粒以下となり(表2)、過剰籾数の範囲であれば穂肥の施用を控える。
  5.  幼穂形成期の草丈が長い場合は倒伏の恐れがあるため、平成23 年度活用技術「気象変動に対応する高品質コシヒカリ生産のための幼穂形成期の生育目安」を参考に、幼穂形成期の草丈と葉色の積値2,500 を目安に穂肥量を加減する。

[成果の活用面・留意点]

  1.  平成20 年から24 年の作物研究センター(細粒質グライ土)の化学肥料試験から重回帰式を得た。1回目の穂肥窒素量は無施用または1kg/10a 施用した結果である。
  2.  有機質入り基肥肥料は葉色が急にさめる場合があることや、有機質入り穂肥は肥効が遅くなる場合がある。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名:水稲品質向上技術開発事業 Ⅰ高温条件等に対応する生産技術の開発
予算区分 :県単事業
研究期間 :平成23~24 年度
発表論文等:なし
農業総合研究所作物研究センター 栽培科 連絡先 TEL 0258-35-0836
FAX 0258-35-0021