普及技術 平成25年度
苗箱を用いたコシヒカリ有機成苗育苗における肥培管理技術
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[要約]

 市販有機育苗培土か窒素含量4%程度の発酵鶏糞を窒素2.5g/箱となるように自家配合した育苗培土を使用し、播種後25・35 日目にそれぞれ窒素1g/箱となるように有機液肥を追肥すると、草丈18cm・葉齢4.5 以上のコシヒカリ成苗に必要な養分を供給できる。

[背景・ねらい]

 水稲有機栽培では、本田における雑草との競合に有利な成苗を移植することが多い。しかし、成苗育苗には40 日以上の育苗期間を要するため、肥培管理を含む育苗管理を確実に行わないと目標とする苗質を得ることは難しい。ここでは有機成苗育苗に必要な窒素肥培管理技術を提示する。

[成果の内容・特徴]

  1.  有機専用育苗培土 (H 社製・簡便性重視)、あるいは窒素含量4%程度の発酵鶏糞を窒素2.5g/箱となるように自家配合した育苗培土 (コスト重視) を苗箱に充填し、塩水選や温湯浸漬などの種子予措を実施したコシヒカリの催芽籾を4 月中下旬に播種する (80g/箱)。無肥料培土で覆土した後、加温出芽させて露地プールで育苗する (図1)。
  2.  不完全葉を除く葉齢が2.5 となる播種後25 日目頃と葉齢が3.5 となる播種後35 日目頃に、それぞれ窒素1g/箱となるように有機液肥 (N 社製) を追肥する (図1)。
  3.  約45 日間で草丈18cm・葉齢4.5 以上 (不完全葉を除く) の成苗を育苗できる (図2)。
  4.  成苗に必要な窒素量は2〜2.5g/箱である (図3)。使用した有機質資材の有効窒素含量が約50%であることから、施肥窒素量は合計4〜5g/箱が適当である (図1)。

[成果の活用面・留意点]

  1.  有機専用育苗培土には粒状に白カビの混じることがあるが、通常の使用では問題ない。培土はできるだけ乾燥した場所に保管し、苗箱に充填後は速やかに播種作業に移行する。
  2.  自家配合する発酵鶏糞の窒素含量が低いと育苗培土のpH が高くなりやすいため、なるべく窒素含量の高い発酵鶏糞を配合する。
  3.  未発酵や発酵不十分な有機資材を配合するとカビの繁茂により培土として使用不能になることがあるほか、培土中での再発酵により発根阻害が生じるため使用しない。
  4.  ペレット肥料は培土に均一に配合できないものが多いため、推奨できない。
  5.  追肥に粉・粒・ペレット状肥料を用いると散布作業効率が悪く、不均一な散布による生育ムラを生じやすい。また、分施せずに全量基肥とすると発芽や発根が不良となる。
  6.  本成績のプール育苗期間は4/17〜6/1、最低気温5℃、平均16℃、最高29℃である。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名:有機農産物安定生産のための肥培管理技術の確立
予算区分 :県単事業
研究期間 :平成23〜24 年度
発表論文等:なし
農業総合研究所基盤研究部 連絡先 TEL 0258-35-0826
FAX 0258-39-8498