活用技術 平成24年度
牛尿の飼料用稲栽培の液肥利用技術
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[要約]

 貯留牛尿は一昼夜の曝気処理により硫化水素濃度を下げることができ、作業中の安全が確保される。牛尿施用は硫安施用と比較して収量に差がなく、速効性の窒素源として飼料用稲栽培の穂肥に利用でき、糞尿処理の簡易化肥料費の低減が図られる。

[背景・ねらい]

 輸入肥料原料の値上げにより、国内流通肥料の価格上昇が見込まれ、家畜排せつ物の肥料としてのニーズは今後急激に高まることが予想される。また、水田のフル活用と国産の飼料用原料の確保の観点から飼料用稲の栽培が推進され、低コストで栽培することが求められている。家畜尿は、窒素成分の大半がアンモニア態窒素であり、速効性の窒素肥料として期待される。そこで、資源循環とコスト低減の観点から飼料用稲栽培の穂肥として牛尿水口流入施肥の実証試験を行う。

[成果の内容・特徴]

  1.  貯留牛尿の硫化水素濃度は、小型ポンプで一昼夜の曝気をすれば(図1)約1,000ppmから検出限界近くまで低下し、安全である。また、曝気開始直後の硫化水素濃度は、風下1mまで離れれば1.9ppmで労働安全衛生法規制値の5ppm以下である。
  1.  貯留牛尿の硫化水素濃度は、小型ポンプで一昼夜の曝気をすれば(図1)約1,000ppmから検出限界近くまで低下し、安全である。また、曝気開始直後の硫化水素濃度は、風下1mまで離れれば1.9ppmで労働安全衛生法規制値の5ppm以下である。
  1.  水田圃場の水深のムラは、肥料成分のムラにつながる(図2)。
  1.  粗玄米終了は試験区533±47と慣行区559±58(kg/10a)で有意差はない(平22年データのみ)。
  1.  以上のことから、曝気処理した牛尿は、速効性の窒素源として飼料用稲栽培の穂肥に利用でき、糞尿処理の簡易化と肥料費の低減が図られる。
  1.  穂肥として窒素8kgを施用する条件で行った場合、肥料費が3,000円/10a低減できると試算される。

[成果の活用面・留意点]

  1.  均一な施肥を行うために、水田圃場の水深のムラをなくし、丁寧な代かきをする。
  1.  牛尿の曝気場所は、通気性の良い郊外で行うことを推奨する。
  1.  牛尿中アンモニア態窒素濃度は、農家により異なるので、RQフレックス等を用いて簡易に濃度測定すると、適正な施肥量を推定できる。
  1.  牛尿施用後、窒素成分を土壌に浸透させるために、1〜2日用水を止める必要がある。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名:環境と経営にやさしい化学肥料削減技術の確立
予算区分 :県単特別
研究期間 :平成21〜23年度
発表論文等:なし
農業総合研究所畜産研究センター 生産・環境科 連絡先 TEL 0256-46-3103
FAX 0256-46-4865