活用技術 平成24年度
施設トマト・きゅうり栽培で可給態リン酸が100mg/100gを超えたらリン酸を施用しない
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[要約]

 可給態(トルオーグ)リン酸100mg/100g乾土以上に蓄積した施設土壌では、リン酸肥料を全く使用しなくても、慣行施肥と同等の収量性を保ちながらトマトきゅうりを栽培できる。数作続けると土壌中リン酸濃度を徐々に適正域に下げることができる。

[背景・ねらい]

 近年、肥料価格の高騰により、リン酸の配合割合を減らして価格を下げた化成肥料が多く販売されている。一方で、新潟県内の施設栽培土壌には多量のリン酸が蓄積している事が知られている。そこで、この蓄積したリン酸を有効活用することによって施肥コストの削減を図るとともに、施設土壌の健全化に資する手法を提案する。

[成果の内容・特徴]

  1.  県内には、可給態リン酸が管理上の上限とされる100mg/100g乾土を超えて、多量に蓄積 している施設畑土壌が多く存在する(図1)。
  1.  可給態リン酸が約100mg/100g乾土を超える施設で、リン酸施用量を半分に削減、あるいは無施用で栽培しても、慣行施肥栽培と比較して収量を低下させることなくトマト・きゅうりの栽培が可能である(図2)。
  1.  リン酸半量施用区、リン酸無施用区を設けてトマト、きゅうりを3年間栽培すると、土壌 中の可給態りん酸、全リン酸、水溶性リン酸は、リン酸半量区では慣行区とほぼ同等に推移 し、リン酸無施肥区では常に低く推移しながら徐々に低下して適正域に近づく(図3)。
  1.  作土中のリン酸含量が低下しても、下層土からの供給が見込まれ、生育・収量への影響は でにくい(図3)。
  1.  リン酸無施用区でも常に5〜10mg/100g乾土程度の水溶性リン酸が存在する(図3)。

[成果の活用面・留意点]

  1.  施肥量の削減を図る際は、必ず土壌分析結果に基づいて計画する。
  1.  品目によりリン酸の要求度が異なるので、多の品目や露地栽培に応用する場合は慣行施肥 栽培と比較しながら施用量を勘案する。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名:環境と経営にやさしい化学肥料削減技術の確立
予算区分 :県単特別
研究期間 :平成21〜23年度
発表論文等:なし
農業総合研究所園芸研究センター 環境・施設科 連絡先 TEL 0254-27-5555
FAX 0254-27-2659