活用技術 平成24年度
さといも栽培における畝内部分施肥法による施肥量削減技術
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[要約]

 さといも栽培において、畝内部分施肥により窒素およびリン酸の施肥量を4割程度削減しても、慣行施肥量の全面施用と比べて収量は同等で、栽培跡地の窒素およびリン酸の残存量が少なくなり、環境負荷低減を図ることができる。

[背景・ねらい]

さといも等の土地利用型露地野菜生産では一般的に全面全層施肥が行われているが、主要根域部分にのみ施肥を行う、畝内部分施肥法は施肥利用率を向上することができる。そこで、さといも栽培における畝内部分施肥法による施肥量削減技術により、環境負荷低減を推進する。

[成果の内容・特徴]

  1.  畝内部分施肥では、畝内の中央部(幅約25cm、深さ約25cm)にのみ施肥する(図1)。
  1.  畝内部分施肥により、施肥量を慣行量の50〜75%としても、慣行施肥(全面全層施肥)と同等の収量が得られ、階級別収量やA品率に差はない(図2、表1)。
  1.  窒素およびリン酸の養分収支は、慣行施肥では過度の蓄積傾向となるが、施肥量を60%とする畝内部分施肥では僅かな蓄積傾向となる(表2)。
  1.  カリについては、要求量が多いため慣行量を施用する(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1.  園芸研究センター内の褐色低地土の圃場にて、品種「大和早生」を用いて行ったマルチ栽培(定植:5月中旬,収穫:10月中旬)での試験結果である。
  1.  慣行施肥量は、窒素:リン酸:カリ=25:20:25kg/10a(15:10:17配合肥料,硫安,過石を混合)とし、全量基肥で施用した。
  1.  施肥量は、土壌診断に基づいて決定する。
  1.  畝内部分施肥が可能な専用機が、農業機械メーカーから販売されている。

[具体的データ]

図1 全面全層施肥と畝内部分施肥の肥料施用域の違い

図2 施肥法・施肥量の違いがさといもの可販収量に及ぼす影響(左図:平21・右図:平22)

表1 施肥法・施肥量の違いがさといもの階級別収量およびA品率に及ぼす影響

表2 施肥法・施肥量の違いがさといもの養分持出量および養分収支に及ぼす影響(平22)

[その他]

研究課題名:園芸における総合的な環境負荷軽減技術の開発
予算区分 :県単経常
研究期間 :平成21〜23年度
発表論文等:平成22年度園芸学会北陸支部
農業総合研究所園芸研究センター 環境・施設科 連絡先 TEL 0254-27-5555
FAX 0254-27-2659