普及技術 平成22年度

有機化成肥料、有機質肥料を組み合わせた水稲の化学肥料削減技術

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[要約]

 水稲の基肥に市販の有機質由来50%の化成肥料、穂肥にペレット状なたね油かすを組み合わせることで化学肥料の施用量を70%削減できる。また、基肥に発酵鶏ふんを組合せることにより化学肥料の100%削減が可能である。

[背景・ねらい]

 より安全・安心な農産物を求める消費者のニーズに応えるため有機農業を含む環境保全型農業が推進され、特別栽培農産物等認証制度の普及による水稲の化学肥料使用量50%削減が図られてきた。生産者からは化学肥料の使用量のさらなる削減技術が求められていることから、市販の有機化成肥料、有機質肥料を組み合わせた化学肥料削減技術を提供する。

[成果の内容・特徴]

  1. 化学肥料を70%削減するには基肥に市販の有機化成肥料、穂肥にペレット状なたね油かすを用いる。化学肥料を100%削減するには基肥に発酵鶏ふん、穂肥にペレット状なたね油かすを用いる。穂肥のペレット状なたね油かすは出穂の25〜30日前に施用する(表1)。
  2. 基肥に有機化成肥料、発酵鶏ふんを用いると、最高分げつ期頃の窒素吸収量が化学肥料よりも少なくなるため茎数がやや減少傾向となるが、収穫期の生育には違いは見られない(表2)。
  3. 穂肥にペレット状なたね油かすを用いると精玄米千粒重が化学肥料、有機化成肥料の場合よりもやや低下するが、収量、玄米タンパク質含有率、良質粒歩合には違いは見られない(表3、表4)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 細粒グライ土のほ場においてコシヒカリを栽培した結果である。
  2. 試験には市販の発酵鶏ふん(窒素成分2〜3%)を用いた。発酵鶏ふん、ペレット状なたね油かすの肥料代は有機化成肥料と同程度である。
  3. 「発酵鶏ふんと菜種油かすを使用したコシヒカリの無化学肥料栽培法(平成15年度成果)」、「なたね油かすは水稲の穂肥に適する有機質肥料である(平成20年度成果)」を参照する。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名:有機物高度利用による環境負荷低減型バイオマス利用栽培技術の確立
  予算区分:県単特別
  研究期間:平成17〜21年度
発表論文等:なし
農業総合研究所 基盤研究部 連絡先 TEL 0258-35-0826
FAX 0258-35-0021