普及技術 平成21年度

減化学肥料栽培のための牛ふん・豚ぷん堆肥の肥料的利用法

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[要約]

 窒素肥効評価法、簡易分析法、利用マニュアルで構成される肥料的利用法により、牛ふん・豚ぷん堆肥の適正利用と減化学肥料栽培が可能となる。

[背景・ねらい]

 家畜ふん堆肥は高い肥料成分含量を持つが現在のところ有効に利用されていないのが実情である。一方で化学肥料価格が高騰しており、新たな肥料資源が求められている。そこで、従来評価が難しいと考えられてきた堆肥中窒素成分の肥効評価法、簡易分析法を開発し、利用法をマニュアル化することで、堆肥の肥料的利用を可能とし、利用促進と施肥コストの節減を図る。

[成果の内容・特徴]

  1. 牛ふん・豚ぷん堆肥の遅効を含めた窒素肥効はAD可溶有機物、無機態窒素、AD可溶窒素の3成分により評価する(図1)。この評価法の実用性は栽培試験や現地試験で検証されており、さらにリン酸、加里の肥効評価と組み合わせると施肥コストを大幅に節減できる(表1)。
  2. 窒素推定に必要な上記3成分は特別な機器を必要としない簡易分析法で分析可能である(図2)。AD可溶有機物については分析技術や設備に応じて2種類の手法より選択できる。無機態窒素分析では同時にリン酸、加里、石灰、苦土の分析値も得られる。
  3. 簡易分析の操作・手順と分析結果に基づく施肥方法は、字幕入り動画や解説資料としてマニュアル化し、動画再生装置等を用いることでビジュアルで技術習得できる(図3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本法は実用技術開発事業「農業環境規範に適合する家畜ふん堆肥の肥効評価システムの確立」において、中央農研、岐阜農技セ、三重農研と共同で開発したものである。
  2. 方法の利用マニュアルは、普及指導員等の指導者向けとして中央農研のホームページに掲載されている(http://taihi.dc.affrc.go.jp/doc/)。
  3. 本法は「新潟県における施肥コスト低減のすすめ方」および野菜栽培指針に記載する。
  4. 本法ではリン酸の肥効率を暫定的に100%とした。この数値は今後の研究結果によって変わる可能性がある。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名:農業環境規範に適合する家畜ふん堆肥の肥効評価システムの確立
  予算区分:公募(実用技術開発事業)
  研究期間: 平成18〜20年度
発表論文等: 平成19、20年度日本土壌肥料学会大会で発表
農業総合研究所 畜産研究センター 生産・環境科 連絡先 TEL 0256-46-3103
FAX 0256-46-4865