活用技術 平成20年度

砕土が悪い場合の大麦播種・施肥法と硝子率を高めない越冬後追肥法

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[要約]

 大麦播種時の砕土が悪い場合、播種方法は表面散播とし、さらに基肥を表面施肥にすると目標穂数の確保が期待できる。追肥作業の省力化のため被覆尿素肥料を用い、越冬後茎数に応じて施肥量を調節することにより、硝子率を高めない大麦生産が可能となる。

[背景・ねらい]

 本県の麦作はコシヒカリ跡の作付けが多く、排水対策や播種の遅れから生育量不足になりやすい。また、越冬後には追肥や防除作業を適時行う必要があり、水稲との作業競合から管理作業の省力化が望まれている。そこで、基肥施肥方法および被覆尿素肥料を用いた追肥技術を検討し、高品質大麦の安定生産を図る。

[成果の内容・特徴]

  1. 播種時の砕土が悪く(砕土率8〜31%)、ドリル播では苗立ちが悪くなると予想される場合は、表面散播にすると目標苗立数200本/uを確保できる。さらに基肥を播種後に表面施肥すると茎数が多くなり、目標穂数の確保が期待できる(図1)。
  2. 表面散播・基肥表面施肥の場合、ドリル播・基肥全層施肥(慣行)と同等以上の越冬前乾物重や収量が得られる(表1)。ただし、硝子率がやや高まる傾向があるので、追肥量を調節する。
  3. リニア型被覆尿素肥料40日タイプの越冬後追肥は、慣行栽培と同程度の収量・品質が得られ、茎立期および止葉抽出期追肥を省略できる(表2)。ただし、越冬後の茎数が400本/uを越える場合、追肥量を減らして硝子率を低く抑える(図2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 表面散播はドリル播に比べて根張りが浅く倒伏しやすいので過剰な施肥は控える。
  2. 表面散播の場合、除草剤は雑草の状況を見て越冬後茎葉処理剤を使用する。
  3. 圃場条件が良好であれば、出芽・苗立ち、生育・収量が安定している一工程ドリル播が望ましい。
  4. 品種は「ミノリムギ」を用いており、リニア型被覆尿素肥料の試験(表2、図2)はドリル播の結果である。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名:新潟県における高品質大麦−飼料用イネ輪作システムの確立
  予算区分:国委(地域総合)
  研究期間:平成15〜19年度
発表論文等:北陸作物学会報42:89-92
        北陸作物学会報42:93-96
         日本作物学会紀事76(別2):86-87
農業総合研究所 作物研究センター 育種科 連絡先 TEL 0258-35-0893
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