活用技術 平成19年度

蒸気土壌消毒の導入によるユリ切り花の品質向上および施肥量削減技術

[要約]

  ユリの切り花生産において、蒸気土壌消毒を導入することにより、切り花の品質は顕著に向上する。蒸気消毒後に作付けしたユリは根群の発達がよく、吸肥力が向上するため、蒸気消毒をやらない場合に比較して切り花重が20〜30%増加し、葉色は濃緑化する。また、施肥効率が向上し、慣行窒素施用量に対して60%以上の減肥が可能となる。

[背景・ねらい]

  新潟県は全国トップクラスのユリ切花産地であるが、連作に起因すると思われる生育不良、生理障害、切り花品質低下が問題となっている。そこで、対策のひとつとして現地で導入が進んでいる蒸気土壌消毒の効果、土壌管理方法を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

  1. 蒸気消毒を行うことにより、処理しない場合に比較してユリの切り花重は20〜30%増加し、品質向上効果に優れる。処理を中断すると、その効果は失われるが、再び実施すると常に品質向上効 果が得られる(図1)。
  2. 養分吸収がよくなり、施肥効率が向上するため施肥窒素の60%以上の減肥が可能となる(図2、表1)
  3. 蒸気消毒を実施しても土壌の化学性は大きく変化しないので、従来どおり良質な有機物を積極的に投入する(図3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 年1回の作付け(抑制栽培)、蒸気消毒処理を5年間続けた試験である。
  2. 蒸気消毒は、施肥、耕うん、作畦後、畦面直上にスチールパイプを配置し、ビニールで覆って密閉した後、深さ30cmの温度が70℃になるまで継続して蒸気を噴出した。
  3. 土壌の種類により生育改善効果の程度に違いがみられるので、生育をみながら減肥割合を検討する。
  4. ボリュームが増す反面、茎部の支持力は弱まり柔らかめの生育となるので、換気、灌水、品種選定などに留意する(表1)。
  5. ユリ作付け後に他作物を栽培する場合は土壌診断を実施し、マンガン過剰症の出やすいウリ類、ホウレンソウ等は、十分な期間を経てから作付けする。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名:園芸作物における栄養生理と施肥の合理化
予算経常:県単特別
研究期間:平成13〜18年度
発表論文等:なし
農業総合研究所 園芸研究センター 環境科 連絡先 TEL 0254-27-5555
FAX 0254-27-2659