ウワバミソウ緑茎系の栽培と増殖

[要約]

 当所で発見した茎に赤みを帯びない緑色のウワバミソウ(地方名みずな)は、色に特徴があるだけでなく、遮光した畑での成育も良好である。また、珠芽による増殖も容易であり、苗の生育が一般のものに比べ良好で、栽培にむく系統である。

[背景・ねらい]

 中山間地の活性化対策として地域の自然条件を活かした特色のある特産物の生産が望まれている。その中でウワバミソウは、独特のぬめりや歯ごたえ、調理した時の鮮やかな緑色などが好まれ、県内で比較的多く販売されており、今後は各地で栽培される可能性のある山菜である。
 そこで、特徴があり栽培に適したウワバミソウを探索及び増殖して、栽培拡大を図る。

[成果の内容・特徴]

  1. ウワバミソウは、一般には「あかみず」とも呼ばれるように、茎の下部に赤みを帯びているのが普通である。しかしこの系統は赤みを帯びず、別種であるヤマトキホコリ(あおみず)と見間違えるほどの緑色をしている。また、ウワバミソウ特有のぬめりがある。
  2. 遮光をした畑栽培で草丈が大きく、1本当たりの重量が重い。収量は10a当たり約1.4tである(表1)。
  3. 緑茎系の珠芽の重量は、一般的な赤茎系のものに比べると軽い(図1)が、苗の生育は赤茎系のものに比べ良好である。1年目の成育調査では、赤茎系が珠芽重量0.3g以上で根元径が4.4mmを超えないのに対して、緑茎系は珠芽重量0.2g以上で根元径が約5mm、0.4g以上で6mmを超える(図2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 遮光ネットは遮光率70〜80%のものを使用する。
  2. 植栽は、地上部のない春先または、晩秋が適している。
  3. 収穫は、植栽後2夏経過後とする。
  4. 増殖に用いる珠芽は、成育の点からは0.2g以上が望ましいが、0.2gに満たないものでも0.05g以上あれば発芽率は約90%あり、十分利用できる(表2)。
  5. 自生地は沢沿いなどの湿潤な場所であるが、栽培には通常の畑で十分である。ただし、夏季において長期間降雨のない時は、潅水を行う。

[具体的データ]

 表1 系統別収穫調査(朝日村、2001)
 植栽は1箇所に5本を巣植えし、それを1株とした
 
 表2 系統別の発芽率(朝日村,2001)
 
 図1 系統別の珠芽重量階別度数分布(朝日村,2002-2003)
 
 
 図2 系統別の珠芽重量階別の草丈と根元径(朝日村,2001)
  植え込みは2001年4月に実施し、根元径等の計測は2001年9月に実施。
根元径は地際から3cmにおける直径とした。

[その他]

研究課題名:山菜等有望特産作物の成育特性解明と生産システムの確立
予算区分:国補
研究期間:平成14〜16年度
発表論文等:新潟県森林研究所研究報告第45号(2004)
森林研究所 きのこ・特産課 連絡先 TEL 0254-72-1171
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