ブナ二次林の上層間伐による肥大成長促進

[要約]

 ブナ二次林に対する上層間伐は、下層間伐、下層植生の除去に比べ、幹の肥大成長促進に効果が大きい。初期成長の劣った個体に大きく効果が現れた。幹の肥大成長、形質に対する効果は伐採後10年目まで持続した。

[背景・ねらい]

 ブナ二次林における間伐方法の違いが、間伐後の肥大成長に及ぼす効果および持続期間を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

  1. 慣例的に実施されてきた作業法(下層植生の除去)と、下層間伐及び上層間伐では、間伐後の肥大成長に及ぼす効果が異なる(図-1,表-1)。
  2. 上層間伐により用材生産に適した肥大成長が期待でき、効果は10年間続いた(図-2)。
  3. 間伐効果は上層間伐区の特に小径木間伐時直径18p未満の劣勢木に最も大きく現れた(図-2,図-3)。
  4. 上層間伐により年輪を広葉樹材として理想的な1.5o〜5.0oに誘導することができた(図-3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 広葉樹林では密度管理により枝下高を確保するので、初回の間伐は枝下高が5m程度確保されてから実施する。
  2. すでに高密度の間伐手遅れ林分では、気象害などの発生を防ぐため、弱い上層間伐を繰り返し、急激な疎開を避ける。
  3. 作業に支障がでる場合を除き、原則的に、中、下層木は、伐倒、除去しない。
  4. 広葉樹は伐倒が難しいので、伐倒が困難な場合や、伐倒により立て木の損傷が著しい損傷が予想される場合は、巻枯らしなどを検討する。
  5. 選木にあたっては、最終的に残す立木を選木する「立て木選木法」を用いる。立て木には、元玉2mの幹が形質良好で枝張りの良い個体を選ぶ。

[具体的データ]

具体的データ

[その他]

研究課題名:多様な広葉樹林の育成・管理技術の開発
予算区分:国補 大型プロ
研究期間:平成12〜16年度
発表論文等:新潟県森林研究所研究報告43号(2004)
森林研究所 森林・林業技術課 連絡先 TEL 0254-72-1171
FAX 0254-72-0019