新潟県産スギ材の構造用集成材への利用適性

[要約]

  丸太をヤング係数により選別することで、構造用集成材の強度等級を高めることができる。ヤング係数は打撃音を周波数分析して得られる固有振動数と、材長と、密度から算出される。ヤング係数が6kN/mm2以上の丸太からは、構造用集成材の日本農林規格で定める対称異等級構成集成材のうち、強度等級E85-F255の製造が可能である。丸太の選別をしない場合には、強度等級E75-F240が限界である。

[背景・ねらい]

  資源量が充実しつつある新潟県産スギ材の活用方法として構造用集成材の製造に関心が高まっている。新潟県産スギ材から効率よく構造用集成材を製造するために、製造可能な強度等級の把握と強度等級の向上方法について検討した。

[成果の内容・特徴]

  1. 新潟県産スギ丸太のヤング係数は、平均7.80kN/mm2、標準偏差1.77kN/mm2であった。  (調査対象:県内15林分、692本、長さ3〜4m、末口径18〜40cm) → 図1
    ヤング係数(E)は、材長(L)と、木口を打撃した時の音を周波数分析して得られる固有振動数(f)と、材積および重量から求めた密度(ρ)から次式により算出した。
    E=4・ L2 ・f2 ・ρ
               
  2. 丸太のヤング係数と、そこから得られる集成材用ラミナのヤング係数には高い相関関係が認められる。 → 図2
  3. 構造用集成材の日本農林規格で定める対称異等級構成集成材のうち、強度等級E65-F225とE75-F240の製造が可能である。
  4. ヤング係数が6kN/mm2以上の丸太を選別することで、E85-F255の製造も可能である。

[成果の活用面・留意点]

  1. 強度等級E85-F255の製造には、ヤング係数が6kN/mm2程度より大きい丸太のみを使う必要がある。この場合、15%程度の丸太が除外される。
  2. この研究情報は全県の平均的なものである。地域によっては丸太のヤング係数が低く、F255の製造が不可能となる場合も考えられる。地域内の丸太ヤング係数の分布を把握して検討する必要がある。

[具体的データ]

図1 丸太ヤング係数の分布
図2 丸太とラミナのヤング係数の関係
図3 最外層ラミナの割合
図4 ラミナの累積相対度数
(等級が高い方からの累積)
表1 ラミナの等級と適合基準
ラミナ等級 曲げヤング係
L50 4.90kN/mm2以上
L60 5.88kN/mm2以上
L70 6.86kN/mm2以上
L80 7.84kN/mm2以上
L90 8.82kN/mm2以上
L100 9.80kN/mm2以上
L110 10.78kN/mm2以上
表2 スギ対称異等級構成集成材のラミナ構成
強度等級 最外層 外層 中間層 内層
E95-F270 L110 L100 L90 L70
E85-F255 L100 L90 L80 L60
E75-F240 L90 L80 L70 L50
E65-F225 L80 L70 L60 L50
最外層ラミナが不足しないようにすることが重要。
例えば8層構成の場合、E85-F255にはL100が25%以上必要(図3参照)。
試験方法
1 692本の丸太についてヤング係数分布を調査。
2 うち77本から386枚のラミナを製材し、乾燥後のヤング係数を測定。
3 丸太のヤング係数区分ごとのラミナ等級の出現割合を調査。
4 製造可能な強度等級について検討。

[その他]

研究課題名:立木から製品までの材質特性調査
予算区分:国補
研究期間:平成13〜16年度
発表論文等:なし
新潟県森林研究所 連絡先 TEL 0254-72-1171
FAX 0254-72-0019

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