ブナシメジ新品種「越のわらべ(仮称)」の特性

[要約]

  ブナシメジ新品種「越のわらべ(仮称)」は、栽培品種よりも高収量となり、栽培日数が短縮される。

[背景・ねらい]

  県内ではブナシメジの生産量が増えているが、これまでブナシメジの品種については県独自のものが供給されていなかった。そのため、森林研究所で野生菌株等を育種材料とした品種開発を進めてきたところ、有望な菌株が選抜された。これを「越のわらべ(仮称)」として、品種登録申請のためのデータ収集等を行っているところである。ここでは、森林研究所や現地での栽培試験により判明した「越のわらべ(仮称)」の特性についてまとめた。

[成果の内容・特徴]

  1. 新潟県内のブナシメジ栽培施設で表1のとおり現地栽培試験を行った。その結果、栽培品種(同)よりも20g程度高い収量を得られた(図1)。茎数は栽培品種より多かった。生育日数(菌かきから収穫までの日数)は栽培品種より2日程度短縮された。
  2. 森林研究所での栽培試験では、生育日数が栽培品種と同等であり、収量は栽培品種を上回った(表2)。茎数は栽培品種より多かった。
  3. 収穫された「越のわらべ(仮称)」の子実体は、株のまとまりがよく、また傘の巻き込みが宝1号などと比較して強かった。

[成果の活用面・留意点]

  1. 「越のわらべ(仮称)」は、株のまとまりがよく、傘の巻き込みが強いため、包装出荷時の取り扱いに優れているものと考えられる。
  2. 「越のわらべ(仮称)」の最適な培養条件(日数・温度)や培地組成については現在実証試験中である。

[具体的データ]

  表1 現地栽培試験での栽培条件
培地基材+栄養材 栄養材量 ビン詰め重 培地含水率 培養熟成日数
エゾマツオガクズ+米ヌカ・フスマ・コーンコブ・V-1 123g/ビン 520-530g/ビン 65-66% 99日
  (注)そのほかの栽培条件については、ブナシメジの一般的栽培方法に準拠して実施した
 写真 ブナシメジ新品種(越のわらべ)
 図1 現地栽培試験での収量と有効茎数
 有効茎数:1株あたりの傘径cm以上の茎数
 グラフ内の数字は生育日数(菌かき〜収穫までの日数)
  表2 ブナシメジ新品種の生育日数・収量・茎数(森林研究所での栽培試験)
培養熟成日数 品種 生育日数 栽培日数 収量(g) 有効茎数
70 越のわらべ 22 92 176.9 69.5
宝1号 21 91 152.6 36.1
90 越のわらべ 23 113 179.3 77.5
宝1号 22 112 163.5 48.1
宝2号 22 112 143.4 43.7
100 越のわらべ 24 124 170.5 58.1
宝1号 23 123 150.9 39.6
宝2号 22 122 139.8 53.8
 培地基材:スギオガクズ、栄養材:米ヌカ・フスマ・コーンコブ・乾燥オカラ
 生育日数:菌かき〜収穫の日数 栽培日数:接種〜収穫の日数 有効茎数:上に同じ

[その他]

研究課題名:ブナシメジ等の優良品種育成と栽培技術の開発
予算区分:県単・特研
研究期間:平成14〜18年度
発表論文等:新潟県森林研究所研究報告第42号(2000)
   新潟県森林研究所研究報告第44号(2002)
森林研究所 きのこ・特産課 連絡先 TEL 0254(72)1171
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