エノキタケ「雪ぼうし」の開発

[要約]

  エノキタケの育種試験結果、優良な純白品種が選抜され、「雪ぼうし」という名称で品種登録申請した。

[背景・ねらい]

  当県は全国第二位のエノキタケ生産県であるが、栽培品種は他県や企業等で開発されたものに頼っているのが現状である。また種苗法上の制約等もあり、使用可能な品種は限定され、生産効率や品質面で問題が生じている。
 そこで、交配を中心とした育種試験や栽培農家での実証試験を通じて、優良な「雪ぼうし」を選抜した。

[成果の内容・特徴]

  1. エノキタケ「雪ぼうし」は、「新潟森研Fv2号」(平成9年品種登録申請、平成13年登録、以下単にFv2号)等を母材料として作出された施設栽培向きの純白品種である。
  2. Fv2号の欠点であった水きのこになりやすい性質が改善されている。
  3. 栽培日数はFv2号よりやや長く、従来品種のTKと同程度である。また当所の試験 では、臥竜5号より2日短い。
  4. 子実体の形状はTKと似通っているが、茎下部の細りが少ない。
  5. 収量はFv2号よりも若干劣るが、TKよりも5%程度多い。 
  6. 平成14年11月22日付けで、品種登録出願を行い、同25日付けで申請が受理されている。

[成果の活用面・留意点]

  1. 雪ぼうしは従来品種よりも発芽時における光の要求度が高いため、意識的な光照射処理が必要である。
  2. 雪ぼうしは高濃度COに対する耐性がやや低いため、高濃度CO下に晒される可能性が高い抑制終了以降は、有孔巻紙の使用や送風により、巻紙内に滞留するCOを除去する必要がある。

[具体的データ]

 写真  雪ぼうし
 表 形質に関する主な特性
  菌傘    菌柄 有効茎数
品種 形態 直径(p) 高さ(o) 断面の形態(出現頻度、%) 太さ(o) (5p以上)
雪ぼうし 丸山形 1.0 6.9 円(53.0)、楕円(43.0)、長楕円(4.0) 3.1 312.6
Fv2号 丸山形 0.9 5.7 円(71.7)、楕円(26.0)、長楕円(2.3) 3.0 442.5
TK 丸山形 1.0 6.2 円(54.6)、楕円(39.7)、長楕円(5.7) 3.3 375.0
 注)種苗法に基づく、特性調査結果

[その他]

研究課題名:ニュータイプきのこ資源の利用と生産技術の開発
予算区分:国補・システム化
研究期間:平成8〜15年度
発表論文等:
森林研究所 きのこ・特産課 連絡先 TEL 0254(72)1171
FAX 0254(72)0019