高性能林業機械による列状間伐作業のマニュアル化

[要約]

  高性能林業機械に適した列状集材間伐の長・短所や実施適否の判定基準、作業計画等の基本的な考え方、また各高性能林業機械の特徴や作業手順と安全作業方法をマニュアル化した。

[背景・ねらい]

 間伐経費削減と林業労働力の減少・高齢化・後継者不足への対応として、高性能林業機械の導入があるが、当県に普及されてから日が浅く、機械、作業方法などに多くの問題を抱えている。また、資源としての間伐材の有効活用や間伐材の売却収入の確保などの面から、効率的な利用間伐手法が求められている。
 高性能林業機械が効率的に集材間伐できる方法として列状間伐があり、実施例は少ないが、県内でも従来の約半分の経費で行えた調査事例がある。しかし、多くの事業体では技術面に不安があるため、実施に至っていない。
 そこで、列状間伐に適した林分の判別方法や成林までの作業計画の考え方、安全作業方法などについて、これまでの研究成果や他の参考事例から取りまとめたマニュアルを作成し、各事業体に列状間伐に関する情報を提供する。それにより、経費の少ない列状の集材間伐が普及することを目的とする。

[成果の内容・特徴]

  1. マニュアルの前半では、列状間伐の長短と実施適否の判定基準、成林までの作業計画の立て方など、列状間伐実施のための基本的な考え方を示した。
  2. 後半では、各高性能林業機械の特徴と安全作業のための注意事項を示した。

[成果の活用面・留意点]

  1. 運搬費を削減するため、団地化し事業規模の拡大を図る必要がある。
  2. 研修などにより、オペレータの習熟を図る必要がある。

[具体的データ]

  1. 背景の具体的データ
    1. 当県の間伐適期に当たる4〜9齢級の人工造林面積は約80千haで、単年度の間伐実績は、平成7年度からの「間伐材活用100万本運動」を契機に増加傾向にあるが、平成12年度は、約2,500ha(内、集材間伐約300ha)であった。
    2. 当県Agによる間伐材搬出事例調査(平成9〜13)で収集された175事例の内訳は、短幹集材151事例、全木集材24事例であったが、それぞれの列状は3事例、4事例(他、列+点状2事例)と少ない。しかし、全木集材を点状で行った利用間伐経費の平均は約38千円/m3なのに対し、列状の平均は約17千円/m3と少なく、経費が掛からないことが確かめられている。
    3. 当所では、国の大型プロジェクト研究「機械化作業システムに適合した森林施業法の開発」に参加し、高性能林業機械に適した間伐方法として列状間伐を平成9年度より研究している。
  2. マニュアルに記載した具体的データ
    1. マニュアルの内容は、「列状間伐とは」として列状間伐の位置付けと長・短所、「作業の前に」として適否の判定基準と主伐までの施業計画例、「列状間伐の実行」として使用機械を含めた列状間伐実行上の注意事項、「高性能林業機械に適した路網」として適切な配置や規格、「間伐施業収支」として現在の収入の概要と生産性の目標、損益分岐点分析の解説、「資料」として当所の研究成果から架線系システムでの歩掛かりの試算結果を掲載した。

[その他]

研究課題名:機械化作業システムに適合した森林施業法の開発
予算区分:国補      研究期間 :平成9〜13年度
発表論文等:新潟県森林研究所研究報告40号(1998)、41号(1999)、
42号(2000)、43号(2001)
森林研究所 森林・林業技術課 連絡先 TEL 0254(72)1171
FAX 0254(72)0019