いもち病に強いコシヒカリ

[要約]

  いもち病に強い「コシヒカリ」は、いもち病真性抵抗性以外の特性が「コシヒカリ」と変わらない「コシヒカリ新潟BL1〜6号」を混合栽培するもので、生育・品質・食味等は「コシヒカリ」と同じである。

[背景・ねらい]

  近年米の消費動向は、良食味であるとともに来歴の明らかな種子の使用等安全・安心な低農薬へのニーズが高まっている。一方、生産者サイドでは米の価格が低迷する中で、生産コストの一層の低減が必要である。そこで、いもち病に強い「コシヒカリ」を新奨励品種とし、環境保全型農業の推進、生産コストの低減及び新潟県産米の評価向上を図る。

[成果の内容・特徴]

  1. いもち病真性抵抗性を持たせた「コシヒカリ」の栽培は、いもち病に対して高い発病抑制効果があり、いもち病防除が大幅に軽減できる。
  2. いもち病に強い「コシヒカリ」を構成する「コシヒカリ新潟BL1〜6号」の出穂期、成熟期、形態、生育、玄米収量、品質、食味、食味関連成分等、いもち病抵抗性以外の諸特性は、現地においても「コシヒカリ」と同じである(表1)。
  3. これらの内、4品種(「コシヒカリ新潟BL1〜4号」)を混合栽培した場合においても、出穂期、生育、品質、食味、食味関連成分などの特性は、「コシヒカリ」と同じである(表2、3、4)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 普及地域は従来の「コシヒカリ」同様標高400m以下とする。
  2. 「コシヒカリ新潟BL1〜6号」を混合するいもち病に強い「コシヒカリ」の栽培特性は「コシヒカリ」と同様であるので、高品質米生産を最優先とし、“いもち病に強い”ことによる多肥栽培は厳に慎む。
  3. いもち病に強い「コシヒカリ」の種子は、いもち病菌レース分布調査に基づいた混合割合で原種の段階で混合された採種ほ産の種子で供給する。自家採種ではいもち病菌レース分布によっては、いもち病の発生を助長することがあるので、毎年種子更新する。
  4. 平成13年度普及技術「コシヒカリIL(いもち病抵抗性系統)の育成」、平成14年度普及技術「コシヒカリIL(いもち病抵抗性系統)の混植による発病抑制」を参照する。

[具体的データ]


 注:奨励品種決定現地調査:新発田、潟東、上越、十日町の4カ所:平成12〜14年
 「コシヒカリ新潟BL5〜6」、整粒歩合、タンパク含有率、味度は13〜14年平均
 アミロース(水分15%換算)、食味(基準:作物研究センター産コシヒカリ)は14年
 コシヒカリの括弧内は「コシヒカリ新潟BL5〜6」の対照値
 梅雨越しの食味は作物研究センター13年産、14年9月調査、基準は原種コシヒカリ

 

 注:良質粒歩合はRS-2000、タンパク含有率はAN-800で測定
 食味基準は作物研究センター産コシヒカリ

 注:場所はパネラーが最も多く判定した箇所数、人数はパネラーの総数を示す。

 注:平成14年:44カ所平均、整粒歩合はRN-500、
 タンパク質含有率はAN-800で測定
図1 普及地域(標高400m以下)

[その他]

研究課題名:水稲奨励品種決定調査事業
予算区分:県単事業
研究期間:平成10〜14年度
発表論文等:第100回日本育種学会講演(育種学雑誌第3巻2号162)2001年9月
農業総合研究所 作物研究センター 育種科 連絡先 TEL 0258(35)0047
FAX 0258(35)0021