米胚芽、米糠を用いたγ‐アミノ酪酸(GABA)の大量生産方法

[要約]

 米胚芽米糠を触媒として、ピリドキサルリン酸存在下でグルタミン酸と反応させると、血圧上昇抑制効果のあるγ‐アミノ酪酸(GABA)を効率良く生産できる。GABA生産量は、米胚芽を用いた場合で100g胚芽あたり29.0g、米糠では100gあたり17.0となる。

[背景・ねらい]

 γ‐アミノ酪酸(GABA)は血圧上昇抑制作用を有するアミノ酸であり、高血圧の治療・予防に有効な機能性食品素材として近年注目を浴びている。一方、米胚芽を水浸漬すると胚芽中にGABAが蓄積することが報告されている。そこで、米胚芽を触媒として使用し、グルタミン酸と反応させるGABAの大量生産方法を開発する。

[成果の内容・特徴]

  1. 米(コシヒカリ)胚芽によりグルタミン酸をGABAに転換する場合(pH5.5、40℃)、基質であるグルタミン酸と補酵素であるピリドキサルリン酸の最適モル比は、グルタミン酸:ピリドキサルリン酸=250:1である(図1)。
  2. 米胚芽を触媒とし、pH5.5に適宜調節しながら40℃、6時間で反応させると、最初に加えたグルタミン酸の87.9%がGABAに変換され、このときのGABA生産量は胚芽100g あたり29.0 gである(図2)。
  3. 米胚芽の代わりに米糠をGABA生産の触媒とすると、GABA生産速度は0.32mmol/時/g米糠となる(図3)。この値は米胚芽によるGABA生産速度の約60%であり、これは米糠中の米胚芽含有量に相当する。
  4. 米糠を触媒とし、pH5.5に適宜調節しながら40℃で6時間反応させると、グルタミン酸からGABAへの転換率は86.1%であり、このときのGABA生産量は米糠100gあたり17.0gである(図4)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本法を用いると、従来法に比較して約50倍濃度のGABA液が得られるが、工業規模で生産するためには反応装置の検討が必要である。
  2. 米糠や米胚芽のロットにより触媒活性は異なるため、GABA製造に使用する前にGABA生産速度を確認する必要がある。
  3. 本技術は新潟県で特許出願中である。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名 : 米胚芽のバイオリアクター化によるγ‐アミノ酪酸の効率的生産と利用技術の開発
予算区分 : 県単特別
研究期間 : 平成10〜12年度
発表論文等 : 特許「γ‐アミノ酪酸の生成方法及びγ‐アミノ酪酸を含む食品」
        (特願平11-7366)
        1999年度日本農芸化学会大会発表( 99年3月)「コメ胚芽によるγ‐アミノ酪酸(GABA)の生産」

農業総合研究所食品研究センター 食品工学科

連絡先

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