平成25年度 農業総合研究所における研究課題とその内容 目次へ戻る

(研究方向と重点研究)
 農業及び食品産業を巡る環境は、経済グローバル化の進展と国内外間競争が激化するなかで、食の安全・安心への関心の高まり、地球温暖化・環境問題への関心の高まりなど大きな転換期にある。
 これらの諸情勢を踏まえ「にいがた農林水産ビジョン(平成18年3月改訂)」では、@安全・安心で豊かな食の提供、A産業として成り立つ魅力ある農林水産業、B多面的機能を発揮する農山漁村の維持発展を柱として取り組みを進め、「安全・安心で豊かな食と緑の故郷づくり」の実現に向けて施策推進を図ることとしており、農業総合研究所においてもこの実現に向けた研究の加速と新たな取り組みが求められている。
 このため、産学官の連携を強化するとともに、現地との連携を密にしながら、担い手のシンクタンクとして本県の優位性、地域性を重視した新技術の開発等をより一層促進することとし、次の研究推進基本方向を定めて重点的かつ効率的な推進を図る。
 1.競争力のある生産体制と複合経営を推進するための技術開発
 2.環境に配慮し、消費者が求める食の安全・安心を重視する技術開発
 3.新潟らしい特産物の高品質生産と流通・加工技術の開発

 多様な研究ニーズに対応した技術開発を効率的、重点的に推進するため、研究推進基 本方向に基づき、総合的視点から施策対応や新規性、緊急性など必要性の高い課題の検討、研究課題化に努めることとする。また、部署横断的な課題や公募型研究に向けた課題化、他機関及び他事業との連携の強化などを総合的に推進する。
 1.新潟米の生産体質強化のための技術開発の推進
 2.複合営農推進のための技術開発の推進
 3.中山間地域に対応した技術開発の推進
 4.食品産業振興のための技術開発の推進
 5.環境保全型農業推進のための技術開発の推進

1 新潟米の生産体質強化のための技術開発の推進

 (1)需要に応じた計画生産のための品種開発  
財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
県単経常
平9〜
 水稲の基幹品種の育成

・当県に適する良質・良食味、多収、耐病性で機械化適応性の高い優良品種を育成する。
作物研
県単特別
(農総・農園)
平20〜27
 気象変動に対応した品種構成のための水稲晩生品種の育成

・今後進行が予想される気象変動に対応できる、高品質・良食味の晩生品種を育成する。
作物研
県単特別(農園)
平25〜27
新規課題
 奨励品種決定調査事業

・水稲、大豆、麦類の優良品種を県奨励品種に選定するため、候補品種系統を作物研究センター及び現地で試作し、県内における適応性や生産力を調査する。 
作物研
県単特別(農園)
平25〜27
新規課題
 品種判別技術の確立

・コシヒカリ新潟BL13号のDNA判別技術を開発する。具体的には、BL13号判別用DNAマーカーの安定性を調査し、BL13号と県奨励品種および全国作付け上位20品種の識別性を確認する。 
作物研

 (2)高品質・良食味と安定生産の推進
財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
事業(農総)
平23〜27
 水稲品質向上技術開発事業

・高温登熟下においてもコシヒカリの品質を低下させない栽培法を確立する。また、高温耐性を備え、食味の良い品種を開発する。
作物研
食品研
基盤研究部
佐渡農技
県単経常
平24〜26
 佐渡における水稲栽培技術の改善と高位安定化

・佐渡における環境保全型稲作(水稲5割減減栽培や生きものを育む農法など)の適正な栽培管理技術を確立する。また、地域特有の気象条件やほ場条件などによる初期生育の不安定要因を明らかにし、高品質・良食味米安定生産のための栽培技術を検討する。
佐渡農技 
県単経常
平25〜27
新規課題
 産地間競争に打ち勝つ新潟米ブランド強化のための基盤技術の開発

・省力・低コスト化をめざした直播栽培技術の改良や、安定した発芽率の確保と健苗育成のための水稲種子予措技術の改良を行う。また、有機質窒素の割合を5割とした栽培での品質・収量等と気象要因との関係について検討する。
作物研
国委託
平22〜26
 積雪湿田地帯における水田高度化技術の開発

・地下水位制御システムを活用し、土壌水分を作物の生育ステージにあわせてコントロールすることにより、水稲および大豆の低コスト高品質栽培をめざす、また、冬作緑肥作物や水稲乾田直播栽培の導入の可能性についても検討する。
作物研
基盤研究部


2 複合営農推進のための技術開発の推進
 (1)地域農業システム確立に向けた土地利用型作物の技術開発
財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
県単経常
平25〜27
新規課題
 新潟版メガファーム推進のための革新的栽培技術の開発

・大規模経営体における、水稲や畑作物の収量・品質を維持しながらも、より省力化へ改善する栽培技術、農業者の負担の軽減や農業者一人一人の作業能力を均質化できる支援技術を開発し、農地利用の推進を図る。
作物研

 (2)高収益・周年型園芸生産拡大のための技術開発
財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
事業
平24〜25

 トップブランド農産物開発事業 

・青いユリを作出するために、青い色素合成に必要な遺伝子をユリに導入し、特定網室で栽培を行い、花色等の形質を調査する。本課題では、ユリへの遺伝子導入を加速し、より多くの遺伝子組換えユリを獲得する。

バイオ研究部
園芸研
県単経常
平21〜30
 にいがたオリジナル園芸品種の開発育成

・本県の園芸品目の市場優位性を確保するため、本県独自の在来品種等を素材にした野菜、果樹、花きの他県にはないオリジナル品種を開発育成する。
野菜:イチゴ、エダマメ、ナスなど 果樹:自家結実性ニホンナシなど 花き:チューリップ、ユリ、アザレア
園芸研
県単経常
平24〜26
 果実ブランド確立と産地の維持・発展支援技術の開発

・ 新品種・品目の特性に対応した栽培技術を開発するとともに養液栽培を活用した簡易栽培方式や優良品種の選定を行い、生産者が安心して果実生産に取り組める生産方式の組み立てや「にいがた果実ブランド」確立を支援する各種技術開発を行う。
園芸研
県単経常
平24〜26
 花きのブランド確立と複合営農を加速するための生産・流通技術の開発

・温暖化に代表される気象変動に伴う生育障害の発生が増加する一方、稲作経営体への園芸導入が求められている。そこで、花きの有望品種選定、新栽培システムの開発、生理障害の回避技術と省エネ・低コスト栽培技術を開発する。
園芸研
県単経常
平24〜26
 複合営農を推進・強化する新潟らしい野菜生産技術の開発

・新潟県民は地場産野菜を志向する傾向が強いが、県産品は時期的な供給量や価格の変動により年々シェアが低下している。そこで、「おいしい新潟野菜の生産」をレベルアップし、現下の生産流通情勢に対応した生産技術を開発する。
園芸研
県単経常
平24〜26
 園芸における気象変動に対応した多様な病害虫管理技術及び省資源生産技術の開発

・生育阻害要因の多様化や資材価格の高騰に対応した園芸作物の生産技術が求められている。また、食の安全、地球温暖化対策や環境負荷軽減に対する社会的な関心が高まっている。そこで、化学合成農に偏重しない、気象変動や資材高騰に対応した施肥技術と病害虫管理技術を開発する。
園芸研
県単経常
平25〜27
新規課題
 新しい産業を創出するための基礎的なバイオ技術と有用素材の開発

・有用資源や有用遺伝子の探索と評価、および、組織培養を用いた品種育成の加速により、新しい産業を創出するための有用素材並びに新品種の開発を行う。 
バイオ研究部 
県単特別
平25〜27
新規課題
 新たな環境制御の導入による「越後姫」の品質安定と増収技術の開発

・「越後姫」冬季高設栽培時における、補助光利用および光合成促進による消費者の求める果実品質の向上と増収効果を明らかにし、冬季低温寡日照条件下における、品質向上、増収、省エネルギー技術を確立する。
園芸研
県単特別
平24〜26
 「新潟茶豆」ステップアップ技術の開発

・園研センターが「にいがた茶豆」の出荷期拡大を目指して育成した、早生茶豆「新潟系14号」と中晩生茶豆「新潟系51号」の機械化一貫体系に適応する長期出荷体系、生育予測技術開発と簡易食味評価法を確立する。 
園芸研
食品研
高冷地農技 
県単特別
平24〜26
 最近の野菜流通に対応した加工・業務用たまねぎの高位安定生産技術の開発

・加工・業務用タマネギの多くは輸入に依存しているが国産需要も根強く、県内でも作付けが増加している。しかし、気象変動の影響を受け易く、収量が伸び悩んでいる。そこで、低コスト省力化技術・斉一性及び安定性を高める技術を開発する。
園芸研
県単特別(農園)
平25〜26
新規課題
 トマトの低段密植栽培技術の開発

・トマト低段密植栽培に適した作型・品種・栽培システムを明らかにし、新潟の気象条件に適した品質の安定化や生理障害の抑制に有効な養水分管理技術及び環境制御技術を確立する。
園芸研
県単特別(農園)
平25〜26
新規課題
 越後姫促成栽培体系の技術開発

・地中熱ヒートポンプを活用した高温期の局所冷房及び低温期の暖房が生育・収量・品質に及ぼす影響を明らかにし、イチゴ「越後姫」における超促成栽培の生産安定化技術と暖房コスト削減技術を確立する。 
園芸研
県単特別(農園)
平25〜26
新規課題
 加工トマト安定生産体系の技術開発

・加工用トマトは現在様々な問題が生じて生産が不安定となっている。中山間地の水田転換畑で適した施肥方法、尻腐れ果防止技術、草勢抑制技術などの課題を設定し検討する。 
中山間農技 
国委託
平22〜26
 農作業の軽労化に向けた農業自動化・アシストシステムの開発

・生産者の高齢化、燃油価格の高騰、輸入農産物の増加などから、新たな施設園芸システム(太陽光利用型植物工場)の導入が進んでいるが、適応品目が限定されるのが問題である。そこで、これまで困難とされてきたキュウリの循環型養液栽培技術を開発する。
園芸研

 (3)畜産経営体質強化と生産拡大のため技術開発  
財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
県単経常
平24〜26
 豚及び鶏への飼料用米等の非混合給与方法の検討

・飼料用米やエコフィードを利用する上で課題となっている混合作業の労力や施設整備への負担低減を図るため、飼料用米等の非混合給与が豚およびに鶏の発育、およびその生産物等に与える影響を解明し、非混合型の飼料給与方法を検討する。
畜産研
県単経常
平24〜26
 県産飼料を利用した生乳生産技術の開発

・水田を活用した飼料自給率の向上を図るため、飼料用稲の有益性を創出し、機能性成分含有率の高い生乳生産技術を開発する。また、酪農経営の生産コスト低減を図るため、各種キノコ廃菌床の飼料化について検討し、飼料資源として活用するための技術を開発する。
畜産研
県単経常
平23〜25
 異性双子雌子牛の正常性判定法の確立

近年増加しているホルスタイン種の多胎分娩の異性双子で正常な繁殖性を有する雌牛について、検査法(LAMP法)を確立するとともに、生産現場において簡易で普及性のある判定法を確立する。
畜産研
県単特別
平25〜27
新規課題
 県内飼料生産利用拡大のための技術開発

・飼料生産基盤の安定化を図るため、新たな草種導入・簡易追播更新技術及び雑草防除体系の構築による高収量収穫体系技術を確立する。また、食品残さの飼料利用を促進するため、品質管理技術、飼料化方法及び利用促進のための情報共有方法等を確立する。
畜産研
県単特別
平25〜27
新規課題
 ちがいの分かる「にいがた和牛」生産技術の開発

・新潟県独自の新たな牛肉の価値基準を創造するため、新潟オリジナル技術として赤肉中のうま味成分を増加させ、かつ購買意欲を高めるような美しい桜色を呈した牛肉となる生産技術を開発する。また、ホルモンの感受性等が低下した高齢の雌牛からでも受精卵を作出できる技術の開発をめざす。
畜産研
食品研
県単特別
平25
新規課題
 畜産臭気対策実用化技術調査

・養豚振興には、規模拡大や新規参入等が必要あるが、飼養規模の拡大に伴う臭気の発生が懸念材料となっている。そこで、臭気低減技術の確立に必要な知見の集積や具体的な臭気発生の条件等についての基礎調査を行う。
畜産研 
県単特別
平23〜26

 肥育名人方式による新「にいがた和牛安定生産方式」の開発

・ 「にいがた和牛」の品質の向上および安定化によるブランド力強化を図るため、「肥育名人」の技術と、米ぬかや飼料用米などの米関連飼料を活用した、新潟ならではのおいしい「にいがた和牛」安定生産方式を確立する。
畜産研
県単特別
平24〜26
 飼料米を利用したおいしい鶏肉生産技術の開発

・地鶏等の地域産品の生産振興を図るため、飼料用米を有効活用して飼料費低減、飼料自給率向上を図るとともに、鶏肉の肉質や品質を向上させ、米の主産地新潟県の特色を生かしたおいしい鶏肉生産技術の開発を行なう。
畜産研
県単特別(畜産)
平25〜26
新規課題
 雌雄産み分け技術の開発

・ 性選別精液を使用した採卵技術を確立するために、人工授精と卵子成熟および排卵のタイミングを同調する技術を検討する。また、性判別のために一部の細胞を切り取った胚を凍結保存して牛に移植する技術、ならびに卵子を凍結保存して融解後に体外授精を行う技術を検討する。
畜産研
国委
平22〜26
 稲・麦WCS、飼料米および米ぬかを高度利用した牛乳の生産技術の開発

・稲発酵粗飼料に含まれる機能性成分や発酵TMRを活用した健康な乳牛栄養管理技術の開発などを実証し、自給飼料を基盤とした高付加価値化生乳の生産技術を開発する。
畜産研

3 中山間地域に対応した技術開発の推進
 (1)地域条件を活かした農産物の高付加価値化
財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
県単経常
平23〜25
 佐渡地域特産園芸品目の安定生産技術の確立

・おけさ柿の産地維持の為、低コスト化や、環境保全型農業への対応による高付加価値化が求められており、新たな栽培技術や防除体系の確立を図る。また、佐渡で栽培される園芸品目を、観光客集客などの新たな価値を生むような特産品目として位置づけられるよう、佐渡地域特産園芸品目の探索と安定生産技術の確立を図る。
佐渡農技
県単経常
平25〜27
新規課題

 中山間地域の活性化を図る園芸生産技術の確立

・中山間地で現行栽培している園芸品目の安定生産、平場には無い豊かな地域資源を活用した山菜や薬用植物などの品目開発、さらに一歩進めて、豊かな自然を都市の人々に満喫してもらう観光農園に対応した技術を研究してゆく。

中山間農技
県単経常
平24〜26

 高標高畑の高度利用に向けた新規品目・作型の開発

・高標高開発畑の高度利用に向けて、雪・夏季冷涼な気候を活用した新規品目・作型の確立を進めるとともに、既存の地域ブランド品目の生産安定に寄与する技術開発を行う。

高冷地農技
県単経常
平24〜26
 地域資源を活用した特産品開発と高付加価値化技術の確立

・中山間地域における継続的な農業生産体制の確立を図るため、地域資源を活かした特産品開発と高付加価値化技術の開発に取り組む。中山間地域の雪を活かした「利雪」、佐渡地域の「おけさ柿」、地域特産の「じねんじょ」について、高付加価値化技術を開発する。また、「おけさ柿」は、環境負荷低減技術も併せて確立する。
バイオ研究部 
食品研
高冷地農技
中山間農技
佐渡農技

4 食品産業振興のための技術開発の推進
 (1)県産農畜産物の加工利用技術の開発
財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
県単経常
平23〜25

 県産食品付加価値向上のための先進的技術の開発

・景気の低迷により消費の低下が著しいため、安全安心はもとより消費者に訴求力のある、差別化商品の開発が県内食品業界から強く求められている。そこで、米粉をはじめとした新規米加工食品の開発、特徴ある麺類・豆腐類の開発等の県内農産物を利用した付加価値の高い食品開発のための基礎的な知見の集積を図る。
食品研
県単経常
平24〜26
 県産農産物の新たな価値を付加するための基盤技術の確立

・食品企業等の実需者ニーズを活かし、高度な鮮度保持技術、寒剤を活用した加工技術、微生物による発酵技術等を活用することで、県産農産物の新たな付加価値を図る基礎研究から実用化までの幅広い研究を実施する。
食品研
県単経常
平24〜26
 新たな食品開発に繋がる機能性成分の検索と評価・計測技術の開発

・新たな機能性食品の実現を目指した新規機能性食品成分の探索、食品を特徴付ける物性プロファイルに関する研究と、食品の状態変化を工学的に評価する方法の開発を行うことで、市場競争力の高い新たな食品の開発に繋がる研究を幅広く実施する。
食品研
県単特別
平25〜27
新規課題
 新潟オリジナル乳酸菌を活用した新たな食品素材化技術の開発

・新潟県には多種の地域特産農産物が生産されており、その特長を活かした食品素材が求められている。一方、雪室保存の野沢菜漬けから新潟オリジナル乳酸菌(Lactobacillus sakei ウオヌマ株)を見出し、秀逸な風味に寄与することを明らかにしている。そこで、この新規乳酸菌を活用した新たな食品素材化技術を開発する。
食品研
高冷地農技
中山間農技
佐渡農技

 (2)県産農畜産物の消費拡大のための食品素材開発
財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署

5 環境保全型農業推進のための技術開発の推進
 (1)有機物資源の循環利用の促進
財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
県単経常
平25〜27
新規課題
 有機物や微生物の特性を利用した環境保全型農業技術の開発

・有機物の特性とその分解を担う微生物を解析するとともに、農業生態系における藻類や光合成微生物等の機能を解析して、新たな環境保全型農業技術を開発する基盤を形成する。

基盤研究部
国委託
平21〜25
 畑作物種・土壌条件等が堆肥中リン酸肥効に及ぼす影響解明

・堆肥に含まれるリン酸を有効に活用するため、ポット栽培や圃場栽培試験を行い、対象作物や土壌条件が堆肥のリン酸肥効に及ぼす影響を明らかにする。さらに露地野菜について、堆肥の窒素・リン酸・カリ肥効と土壌可給態窒素を考慮した省資源型栽培を実証する。

畜産研
国委託
平21〜25
 水田における堆肥中リン酸の利用技術の開発

・近年開発された肥効強化型の堆肥は易分解性有機物が多いため、水田に施用した場合に想定される異常還元が、生育阻害とメタン発生に及ぼす影響を室内実験・ポット栽培試験・本田への施用試験により検証する。また、有効態リン酸レベルの低い水田で堆肥を連年施用することにより、湛水状態下でのリン酸肥効を解析する。さらにプロジェクト後半では、堆肥の有効肥料成分と土壌可給態窒素を考慮した水稲の減化学肥料栽培の圃場試験を実施する。

作物研

 (2)環境負荷の軽減と地域環境の保全
財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
事業(農園)
平25〜27
新規課題

 有機農業技術の開発

・有機栽培への取り組みを推進するため、有機肥料及び各種有機質資材を用いた肥培管理技術を確立する。また、省力的・効果的な除草技術体系を構築する。

基盤研究部
園芸研
佐渡農技
食品研
県単経常
平23〜25

 ライフサイクルアセスメント(LCA)を用いた農業生産段階における環境影響評価

・持続可能な農業生産の実現のために、水稲(慣行栽培、特別栽培、新規需要米等)及び主要園芸品目を対象として環境影響を評価する。

基盤研究部
県単経常
平22〜26

 土壌資源の活用と多様な機能の評価による土壌管理技術の確立

・農耕地土壌が持つ物質循環能や炭素貯留能、浄化機能等の多様な機能を維持増進するための評価手法の開発ならびに土壌管理技術を確立する。

基盤研究部
県単経常
平25〜27
新規課題
 水稲・大豆の難防除病害虫の管理技術の開発

・近年新たに問題となっている水稲病害虫の防除法等を明らかにするとともに、水稲・大豆における農薬を減らした栽培の拡大・安定化に対応した防除技術を開発する。また、晩生品種における病害虫の発生リスクを評価する。

作物研
県単特別平24〜26
 ダイズ立枯性病害の発生生態の解明と発病低減技術の開発

・ 大豆や枝豆の栽培で問題となっている立枯性病害(黒根腐病、茎疫病等)の発生生態を明らかにし、発生抑制の環境整備、土壌還元消毒や緑肥等の新たな防除技術や農薬を組み合わせ、環境負荷の小さい防除技術体系の開発を目指す。
作物研
基盤研究部
県単特別平23〜25

 大豆害虫ウコンノメイガの薬剤防除法と要防除水準の開発

・近年、当県の大豆栽培ではウコンノメイガによる被害が増加して問題になっている。本種に対する効果的な薬剤防除法を開発し、この防除法に対応 した要防除水準等の発生予察技術を開発する。

作物研
国委託
平21〜25
 水田におけるリン酸減肥指針の策定と簡易土壌診断

・肥料価格高騰を受けて肥料を節減する必要性が高まっている。そこで、新潟県を代表する細粒質低地土水田において、水稲の無リン酸栽培を継続して土壌リン酸の減少速度を把握するとともに、リン酸施肥量の異なる栽培試験から土壌リン酸供給力維持のための施肥量を明らかにする。過剰施肥が抑制され、コスト削減が図られる。
作物研
国委託
平22〜28
 中日本地域における環境保全型農業技術導入による温暖化緩和効果の検証

・稲わら等の有機物管理が異なる水田において、非栽培期間中の土壌水分動態の違いが有機物分解、土壌還元、栽培期間中のメタン排出量の変動に及ぼすメカニズムを明らかにする。さらにLCA評価により、温暖化緩和ポテンシャルの大きい土壌・有機物管理技術を開発する。
基盤研究部
国委託
H20〜32
 土壌実態調査による土壌管理と土壌炭素量の関係解明

・県内約160点の農耕地土壌を抽出し、有機物施用や水管理等のほ場管理の違いが土壌炭素量の変動に及ぼす影響を明らかにするとともに、農耕地に炭素を蓄積するための技術開発の基礎データとする。 
基盤研究部
国委託
H24〜26
 アカヒゲホソミドリカスミカメの水田内発生量調査技術の確立

・病害虫発生予察事業における「発生予察調査実施基準」への導入を目的として、フェロモントラップを利用したアカヒゲホソミドリカスミカメの発生量調査法と発生量評価基準を策定する。
作物研
国委託
H24〜26
 栽培中後期に多発するダイズ黒根腐病に対する抵抗性素材の探索

・水田転換畑を用い、「エンレイ」、「あやこがね」等の県内主要品種のほか、国内主要品種や育成系統を異なる栽培方法で、黒根腐病発病程度を評価する。これによって黒根腐病に対し高い圃場抵抗性を有する品種・系統を選抜し、黒根腐病抵抗性品種育成に資する。
作物研

 (3)土壌賦存有害物質の管理技術
財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
国委託
H20〜29

 水稲におけるヒ素のリスクを低減する栽培管理技術の開発

・土壌中のカドミウム(Cd)・ヒ素(As)の形態別動態に及ぼす肥培管理等の影響を把握し、玄米Cd濃度を高めることなく、玄米As濃度を低減するための実用的な水管理・資材施用法等を明らかにする。

基盤研究部
国委託
H20〜29

 損傷菌の発生機序の解明と検出・制御技術の開発

・生食用野菜のうち生産量の多いキュウリを対象品目とし、栽培過程における大腸菌O157およびリステリアの可食部汚染リスクを損傷菌の検出手法を併用して明らかにする。

基盤研究部

  産学官連携競争的資金活用型研究

 (1)実用化技術開発事業

財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
公募型
平23〜25

 キノコ栽培廃菌床からのエネルギーと肥料の同時生産

・キノコ栽培の廃菌床をバイオマスとして熱エネルギーを回収し、その焼却灰を肥料化して灰に含まれているリンを回収する技術を実証的に開発する。

基盤研究部
公募型
平23〜25

 窒素深層施肥による水田フル活用−大豆、麦、多用途米の新規生産向上技術の開発と普及

・作物研究センターは農業試験場時代から大豆の深層施肥技術の開発に取り組んでおり、根粒の窒素固定を阻害せず増収となる技術を開発したが、農家が装備可能な「深層施肥機」の普及が課題であった。本課題においては,新潟大学が市販化を前提に試作した「深層施肥機」の体系的利用により水稲、大麦も含めた体系を開発する。

作物研
基盤研究部
公募型
平23〜25

 気象変動に強く大幅省力化が可能なニホンナシ自家和合性品種の結実管理技術

・本県が育成して品種登録出願中の人工交配を必要としないニホンナシ新品種「新美月」、「新王」など自家和合性品種の特性を活かした、気象条件に影響されない安定的で大幅な省力化が可能な栽培技術を開発する。

園芸研
公募型
平23〜25

 ユリ需要拡大のためのユリ香り抑制剤の実用化

・「カサブランカ」に代表されるオリエンタル系ユリは甘く濃厚な香りを有するが、場合によっては強すぎる香りのために消費者に敬遠されることがある。(独)花き研究所が開発したユリの香り抑制剤の産地における処理方法を開発し、高温時の輸送を伴う本県のユリ産地に適した香り抑制法を確立する。

園芸研
公募型
平23〜25

 果実の新市場を創成する食べきり・手間なし「ベビーパーシモン」の生産供給技術の開発

・佐渡島で発見されたおけさ柿「平核無(ひらたねなし)」の突然変異系統「突核無(とつたねなし)」は非常に果実が小型でこれまでにない特性を持っている。そこで、消費者が求める「種子が無く、皮を剥かずに一口で食べきれ、価格的にも手頃」なミニカットカキ(ベビーパーシモン)の生産・加工・流通技術を開発する。

園芸研
佐渡農技

 (2)その他
財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
公募型
平23〜25

 未利用低温排熱利用発電システムの技術開発(NICO市場開拓技術構築事業)

・食品製造業においては低温排熱が多いことから、この排熱を電気エネルギーに変換し、有効活用する装置を開発する。煎餅の焼成工程で生じる排熱を取り上げ、@集熱装置、A熱移送装置、B電気 エネルギーに変換するスターリング発電機の技術開発を行うため、当該装置の導入方法の検討、導入した際の煎餅品質への影響等を調査する。 
食品研
公募型
H24〜25

 新たな評価軸による雪室貯蔵食材の解析とブランド品開発(JST)

・雪室は農産物のみならず珈琲や畜産物などを低温貯蔵する新たな冷蔵システムとして注目され、同時に成分挙動等のエビデンスが求められている。そこで、本県積雪地の特産農産物であるソバと自然薯について、香気性成分や物性等の新たな評価軸により雪室貯蔵食材の品質変化を検討する。
食品研
公募型
H24〜25

 粘性物質を用いない新規グルテンフリー米粉パン製造技術の開発(JST)

・グルテンフリー(GF)米粉パン製造で、従来膨張に必要とされた粘性物質(増粘多糖類等)を用いず製造できる技術について、実用化への課題である「製造に適した素材の特性解析・選定」や「生地膨張維持メカニズム」の解明を行う。
食品研


凡例)
基盤研究部 = 農業総合研究所基盤研究部
バイオ研究部 = 農業総合研究所アグリ・フーズバイオ研究部 
作物研 = 農業総合研究所作物研究センター
園芸研 = 農業総合研究所園芸研究センター
畜産研 = 農業総合研究所畜産研究センター
食品研 = 農業総合研究所食品研究センター
高冷地農技 = 農業総合研究所高冷地農業技術センター
中山間農技 = 農業総合研究所中山間地農業技術センター
佐渡農技 = 農業総合研究所佐渡農業技術センター

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