平成22年度 農業総合研究所における研究課題とその内容 目次へ戻る

(研究方向と重点研究)
 農業及び食品産業を巡る環境は、経済グローバル化の進展と国内外間競争が激化するなかで、食の安全・安心への関心の高まり、地球温暖化・環境問題への関心の高まりなど大きな転換期にある。
 これらの諸情勢を踏まえ「にいがた農林水産ビジョン(平成18年3月改訂)」では、@安全・安心で豊かな食の提供、A産業として成り立つ魅力ある農林水産業、B多面的機能を発揮する農山漁村の維持発展を柱として取り組みを進め、「安全・安心で豊かな食と緑の故郷づくり」の実現に向けて施策推進を図ることとしており、農業総合研究所においてもこの実現に向けた研究の加速と新たな取り組みが求められている。
 このため、産学官の連携を強化するとともに、現地との連携を密にしながら、担い手のシンクタンクとして本県の優位性、地域性を重視した新技術の開発等をより一層促進することとし、次の研究推進基本方向を定めて重点的かつ効率的な推進を図る。
 1.競争力のある生産体制と複合経営を推進するための技術開発
 2.環境に配慮し、消費者が求める食の安全・安心を重視する技術開発
 3.新潟らしい特産物の高品質生産と流通・加工技術の開発

 多様な研究ニーズに対応した技術開発を効率的、重点的に推進するため、研究推進基 本方向に基づき、総合的視点から施策対応や新規性、緊急性など必要性の高い課題の検討、研究課題化に努めることとする。また、部署横断的な課題や公募型研究に向けた課題化、他機関及び他事業との連携の強化などを総合的に推進する。
 1.新潟米の生産体質強化のための技術開発の推進
 2.複合営農推進のための技術開発の推進
 3.中山間地域に対応した技術開発の推進
 4.環境保全型農業推進のための技術開発の推進
 5.食品産業振興のための技術開発の推進

1 新潟米の生産体質強化のための技術開発の推進

 (1)需要に応じた計画生産のための品種開発  
財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
県単経常
平17〜22

多様な育種素材の活用と葯培養技術を利用した稲優良系統の育成

・「健康志向」や「環境との調和」等の多様なニーズに対応した新潟県オリジナルの新品種の開発を行なう必要がある。そこで、育種素材を広く海外にも求め、かつ県独自開発の葯培養技術を利用することにより、短期間で画期的な新品種を育成し、新潟米の生産体質強化に貢献する。

バイオ研究部
県単経常
平9〜
 水稲の基幹品種の育成

・当県に適する良質・良食味、多収、耐病性で機械化適応性の高い優良品種を育成する。
作物研

 (2)高品質・良食味と安定生産の推進
財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
県単経常
平21〜23
 佐渡産作物の高品質安定栽培を支える効率的施肥技術の確立

・平成20年度から3割減減以上となり、平成24年度から5割減減栽培への移行を計画している佐渡産米の高品質安定栽培を支えるため、有機質入り穂肥の適切な施用方法を明らかにする。また佐渡の気象・ほ場条件に対応した栽培技術を検討する。
佐渡農技
県単経常
平22〜24
新規課題
 環境変動リスク低減に向けた主要作物の安定栽培技術の確立

・生産コストや安定収量・品質に対するリスク回避に向けた水稲及び畑作物の栽培技術の改善、および大規模種子備蓄を可能にする栽培及び貯蔵条件を解明する。
作物研
県単特別
平22〜24
新規課題
 県産「米粉用」米の低コスト・多収栽培法の確立

・米粉用品種として多収性および米粉・加工適性を評価し、新潟県に適する有望品種・系統を選定する。また、多収栽培法と施肥条件が米粉としての基礎的な品質特性に与える影響を明らかにする。さらに、低コスト栽培適性について検討する。
作物研、食品研
事業(農園)
平20〜22
 高品質でおいしい「にいがた米」安定生産のための総合体系化技術の開発

・水稲の品質・食味高位安定化に向けた栽培管理法の総合的な体系化技術を開発する。
作物研、基盤研究部、佐渡農技
国委託
平20〜22
 携帯式作物測定生育情報測定装置による生育診断技術の確立

・従来のものさしや葉緑素計SPAD502を用いた生育調査法を、携帯式生育情報測定装置による調査法に置き換え、生育量を一筆毎に大量に把握する方法を確立する。
基盤研究部、作物研

 (3)消費拡大と有利販売手法の開発
財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
県単経常
平20〜22

 農業法人が容易に取り組める顧客データ等のマーケティング利用方法の解明

・法人が独自販売を行う際に未利用データとなっている「顧客データ」「POSデータ」等を有効に利用し、容易に取り組めるマーケティング手法を確立する。

基盤研究部


2 複合営農推進のための技術開発の推進
 (1)地域農業システム確立に向けた土地利用型作物の技術開発
財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
県単経常
平20〜22
 水稲・大豆の節水管理技術の開発

・水稲、大豆の生産と品質安定を図るため、降雨の有効利用や地下かんがいを活用した用水管理技術を開発する。
基盤研究部
国委託
平20〜24
 水稲の燃料化や飼料化、資材化のための地域循環、多段階利用生産技術の開発

・県内で平成20年度から開始される水稲を原料とするエタノール生産事業支援のため、今後栽培の拡大が見込まれる原料用水稲の生産性増大および稲ワラの飼料利用や発酵残さの有効利用等による地域内循環と多段階利用により生産コストの低減を図る。
基盤研究部
畜産研

 (2)高収益・周年型園芸生産拡大のための技術開発
財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
事業
平21〜23

 トップブランド農産物開発事業 −青いユリの商品化−

・青いユリを作出するために、青い色素合成に必要な遺伝子をユリに導入し、特定網室で栽培を行い、花色等の形質を調査する。また、イオンビームを照射したユリから不稔になった個体を選抜する。

バイオ研究部
園芸研
県単経常
平20〜24
 オリジナル品種育成のためのバイオ技術と育種素材の開発

・本県に特徴的な作物であるナスとチューリップの組織培養技術を開発・改良し、その技術を利用することによって、これらの作物の新潟県オリジナル品種の開発に必要な年限を短縮する。
バイオ部
県単経常
平21〜30
 にいがたオリジナル園芸品種の開発育成

・本県の園芸品目の市場優位性を確保するため、本県独自の在来品種等を素材にした野菜、果樹、花きの他県にはないオリジナル品種を開発育成する。
野菜:イチゴ、エダマメ、ナスなど 果樹:自家結実性ニホンナシなど 花き:チューリップ、ユリ、アザレア
園芸研
県単経常
平21〜23
 園芸における総合的な環境負荷低減技術の開発

・病害虫の発生相の変化に伴い新規侵入病害虫や難防除病害虫が増加傾向にあるので的確に同定するとともに発生生態を明らかにし環境に配慮した総合的防除技術を確立する。また、園芸作物の養分吸収特性を把握し合理的施肥技術を開発する。これらにより環境負荷低減技術を確立する。
園芸研
県単経常
平21〜23
 にいがた産果実の生産安定とブランド確立支援技術の開発

・本県果樹生産において生産性向上と一層の高品質・安全・安心な「にいがた果実ブランド」を確立するため、@優良品種選定、A高品質果実の栽培技術確立、B優良種苗供給技術の確立、C生理障害等の軽減技術確立及びD果樹のコンテナ栽培等簡易栽培方式の開発等を行う。
園芸研
県単経常
平21〜23
 花きの高品質安定及び省エネ・低コスト栽培技術の開発

・燃油高騰、花き価格の低迷などにより花き経営が不安定になっているので花き産地の体質強化に向けて、@有望新規作目、品種の選定、Aその高品質安定栽培技術の確立、Bハウス栽培における省エネ・低コスト栽培技術の開発、C養液栽培等の新栽培システムの開発およびD開花生理の解明、適正収穫後処理技術を開発する。
園芸研
県単経常
平21〜23
 野菜の省力及び所得向上が可能な優良品種選定と安全高品質生産技術の開発

・省力・所得確保が図られ、消費者起点に立った安全・安心・高品質で売れる野菜作を可能とする栽培技術を確立するため、@優良品種の選定、Aそれら品種の高位生産技術の開発、B循環型養液栽培管理技術及び低コスト養液栽培システムを開発する。。
園芸研
県単特別
平21〜23
 ブランド戦略を推進する野菜オリジナル新品種の総合的技術開発

・イチゴのオリジナル新品種「S3号」、エダマメのオリジナル新茶豆系統のそれぞれの特性にあった高収量・安定生産技術を開発する。併せて、イチゴのウイルスフリー株の作出とエダマメ無病種子生産技術を確立する。
園芸研
県単特別
平22〜24
新規課題
 水稲育苗ハウスで高収益、早期に収穫できる果樹栽培技術の開発

・水稲育苗ハウスを利用したブドウ「巨峰」等のアーチ栽培技術の現地導入が始まっているが、さらに収益性の高い高級ブドウ品種「シャインマスカット」の導入や栽培一年目から収穫可能なイチジクのコンテナ栽培技術を開発して導入定着を促進する。
園芸研
県単経常
平22〜24
新規課題
 施設野菜生産における省エネルギー栽培技術の確立

・近年の燃油価格高騰により施設野菜生産者の経営は圧迫を強いられている。そこで、イチゴ、トマト、キュウリの栽培管理温度と生育や収量品質の関係を解明することにより、省エネ対応品種の選定や省エネ栽培管理技術を確立するとともに空気膜ハウスや省エネ資材の効果的な活用技術を開発する。
園芸研

 (3)畜産経営体質強化と生産拡大のため技術開発  
財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
県単経常
平20〜22
 高品質な生乳生産技術の開発と胚移植の普及・実用化技術の確立

・新潟県の地域資源である稲発酵粗飼料や米ヌカ等を用いて、CLAやβ-カロテンなどの機能性物質の生乳への付与技術を開発するとともに、生産現場における受胎率の高位安定化を図るため、採胚から凍結保存までの課題を明確にし、胚移植技術の普及・実用化技術を確立する。
畜産研
県単経常
平21〜23
 新潟県における乳牛への未利用資源を利用した飼料給与技術の開発

・酪農経営における生産コストを低減し、経営改善を図るため、稲わら等の県内未利用資源の飼料特性を解明すると共に、未利用資源を活用した乳牛への飼料給与技術を開発する。
畜産研
県単経常
平21〜23
 離乳子豚に対する飼料米の有効活用

・消化管が未熟な離乳子豚の飼料として、トウモロコシや小麦と比較して消化性がよい飼料米の有効な利用方法について検討する。
畜産研
県単経常
平22〜24
新規課題
 易分解性有機物の多い豚ぷん堆肥の利用法の検討

・養豚場等で利用されている密閉縦型方式で生産された豚ぷん堆肥の利用を拡大するために、堆肥の分解特性等の特徴を踏まえて、利用法と微生物特性を生かした新機能について検討する。
畜産研
県単特別
平19〜22
 飼料イネ活用による「にいがた和牛」の効率的肥育技術の確立

・「にいがた和牛」の効率的生産を図るため、給与飼料の構成が食味に関係する脂肪酸組成および発育に及ぼす影響を解析し、食味を維持しながら肥育期間を短縮する高品質牛肉生産技術を開発する。
畜産研
県単特別
平19〜23
 「にいがた地鶏」の生産性向上

・「にいがた地鶏」の増体および斉一性の向上による生産コストの低減を図るため、種鶏の選抜改良を実施する。また、中山間地複合経営への「にいがた地鶏」導入効果と生産拡大支援策を検討する。
畜産研
基盤研究部
県単特別
平21〜24
 高能力乳牛からの効率的な子牛生産技術の確立

・改良に伴い乳牛の高泌乳化が進んでいるが、分娩間隔の長期化により、生涯産子数は減少傾向にある。高能力乳牛の確保を目的に、これまでの経産牛採胚に加え、育成期間における採胚技術および妊娠期間における胚作出技術を確立する。
畜産研
国委
平18〜22
 稲発酵粗飼料、稲わら等自給粗飼料と地域資源を活用した発酵TMR調製・給与技術の開発

・飼料自給率向上のため、地域で生産される稲発酵粗飼料、稲わら及び食品製造副産物等を積極的に活用した給与メニューを検討し、広域流通を想定した発酵TMRの調製法、給与技術を開発する。
畜産研

3 中山間地域に対応した技術開発の推進
 (1)地域条件を活かした農産物の高付加価値化
財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
県単経常
平20〜22
 佐渡の環境に優しい園芸生産と地域園芸振興品目の栽培技術確立

・佐渡の特産園芸品目の生産振興において、農業経営の安定化及び地域活性化を図るとともに、実需者に信頼される生産技術を確立する。
佐渡農技
県単経常
平21〜23

 雪・冷涼な気候・在来種等を活かす園芸生産技術の開発

・高標高多雪地域における地域の特色を活かした園芸品目生産・販売の強化のため、@雪を活かす生産技術、A冷涼な気候を活かす生産技術、B在来種等を活かす生産技術を開発する。

高冷地農技
県単経常
平22〜24
新規課題

 中山間地域における継続可能な園芸生産技術の確立

・低コスト抑制ユリ切り花栽培技術の確立、ナルコユリ・花木枝物・山菜類の促成栽培技術の確立、地域特産野菜および山菜、花きの選定と特性把握、グランドカバー植物導入の体系化を図り、中山間地域における継続可能な園芸生産技術を確立する。

中山間農技

4 環境保全型農業推進のための技術開発の推進
 (1)有機物資源の循環利用の促進
財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
国委託
平21〜25
 畑作物種・土壌条件等が堆肥中リン酸肥効に及ぼす影響解明

・堆肥に含まれるリン酸を有効に活用するため、ポット栽培や圃場栽培試験を行い、対象作物や土壌条件が堆肥のリン酸肥効に及ぼす影響を明らかにする。さらに露地野菜について、堆肥の窒素・リン酸・カリ肥効と土壌可給態窒素を考慮した省資源型栽培を実証する。

畜産研
国委託
平21〜25
 水田における堆肥中リン酸の利用技術の開発

・近年開発された肥効強化型の堆肥は易分解性有機物が多いため、水田に施用した場合に想定される異常還元が、生育阻害とメタン発生に及ぼす影響を室内実験・ポット栽培試験・本田への施用試験により検証する。また、有効態リン酸レベルの低い水田で堆肥を連年施用することにより、湛水状態下でのリン酸肥効を解析する。さらにプロジェクト後半では、堆肥の有効肥料成分と土壌可給態窒素を考慮した水稲の減化学肥料栽培の圃場試験を実施する。

作物研

 (2)環境負荷の軽減と地域環境の保全
財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
県単経常
平22〜26
新規課題
 土壌資源の活用と多様な機能の評価による土壌管理技術の確立

・農耕地土壌が持つ物質循環能や炭素貯留能、浄化機能等の多様な機能を維持増進するための評価手法の開発ならびに土壌管理技術を確立する。

基盤研究部
県単経常
平22〜24
新規課題
 土壌に応じた新たな省力・低コスト環境保全型農業技術の開発

・有機物施用が作物の栽培環境や土壌微生物環境に及ぼす影響を評価するとともに、県内の様々な土壌に応じた新たな省力で低コストな環境保全型農業技術を開発する。

基盤研究部
県単経常
平22〜24
新規課題
 環境負荷軽減のための水稲・大豆病害虫管理技術の開発

・水稲減農薬栽培の拡大・安定化を図るため、墨黒穂病、ごま葉枯病など、いもち病以外の病害虫の管理技術を開発する。また、水稲・大豆のIPM推進のための基礎的知見の蓄積を進める。

作物研
県単特別平21〜23

 果樹こそIPM〜環境に優しい病害虫密度制御技術の確立

・果樹栽培においては抵抗性害虫や薬剤耐性菌が増加により化学農薬だけでは防除が難しくなってきているので、@交信攪乱剤・生物農薬を核にした化学農薬低減技術、A薬剤耐性及び感受性低下に対応した密度制御技術、B土着天敵利用技術の開発により、人にも自然にもやさしい新たな防除体系を確立する。

園芸研
県単特別平21〜23

 土壌伝染性病害の環境保全型防除技術開発

・県内で問題となっているダイズ立枯性病害およびナス科野菜青枯病等の土壌病害を対象に、化学合成農薬の使用量を低減し、栽培条件に適した総合的防除法を開発する。

基盤研究部
作物研
県単特別平21〜23

 環境と経営に優しい化学肥料削減技術の確立

・肥料価格高騰を受けて肥料を節減する必要性が高まってる。これまでのリン酸、カリに関する土壌診断は土壌改良に重点が置かれていたが、施肥量に反映させる診断が必要となっている。そこで、水田,露地畑,ハウス施設,牧草地において養分蓄積量に応じた施肥法を検討し,施肥コスト低減栽培技術を開発する.

作物研
基盤研究部
園芸研
畜産研
高冷地農技
中山間農技
佐渡農技
県単特別平22〜24
新規課題

 セイヨウナシ褐色斑点病の防除技術の確立

・本県の特産果樹である西洋ナシ「ル レクチェ」に褐色斑点病が発生し、年々被害が拡大している。そこで、「ル レクチェ」の生産安定を図るために、褐色斑点病の生態を解明するとともに防除技術を確立する。

園芸研
県単特別平22〜24
新規課題

 コシヒカリBLのいもち病追加防除要否水準の作成と抵抗性維持のための新レース定着要因の解明

・コシヒカリBLにおいて、いもち病の追加防除が必要な葉いもちの発病程度を明らかにし、防除要否の判断基準を作成する。また、コシヒカリBLの抵抗性系統を発病させる新レースの発生ほ場において、レース頻度の年次推移と防除対応等を調査し、新レース定着に関与する要因を明らかにし、定着を回避、遅延させる方法を開発する。

作物研
国委託
平20〜24
 土壌実態調査による土壌管理と土壌炭素量の関係解明

・県内農耕地が蓄積している土壌炭素量を土壌タイプ別に把握し、堆肥施用や水管理等の営農管理の違いが蓄積炭素量の変動に及ぼす影響を明らかにする。
基盤研究部
国委託
平21〜25
 水田におけるリン酸減肥指針の策定と簡易土壌診断

・肥料価格高騰を受けて肥料を節減する必要性が高まっている。そこで、新潟県を代表する細粒質低地土水田において、水稲の無リン酸栽培を継続して土壌リン酸の減少速度を把握するとともに、リン酸施肥量の異なる栽培試験から土壌リン酸供給力維持のための施肥量を明らかにする。過剰施肥が抑制され、コスト削減が図られる。
作物研
国委託
平21〜25
 トロトロ層とチェーン除草を中心とした水田雑草防除技術の開発

・市販の人力除草機よりも低価格で動力除草機に準じる除草性能を有する実用的なチェーン除草機を開発する。また、イトミミズの土壌攪拌作用による雑草種子の土壌埋没・発芽抑制効果を明らかにする。
基盤研究部
国委託
平22〜26
新規課題
 農林水産業における温暖化対策技術の高度化に関する研究
 (水田における温室効果ガス排出削減・吸収機能確保技術の開発)

・稲わら等の有機物管理が異なる水田において、非栽培期間中の土壌水分動態の違いが有機物分解、土壌還元、栽培期間中のメタン排出量の変動に及ぼすメカニズムを明らかにする。さらにLCA評価により、温暖化緩和ポテンシャルの大きい土壌・有機物管理技術を開発する。
基盤研究部
国委託
平22〜24
新規課題
 新たな農耕地からの温室効果ガス削減技術の開発
 (有機質資材施用に伴う一酸化二窒素等発生量調査)

・有機質肥料や堆肥等の有機質資材の施用が野菜畑から排出される温室効果ガスである一酸化二窒素(N2O)の排出量に及ぼす影響を定量的に評価し、農耕地への有機質資材施用に伴う温室効果ガスの排出係数を日本国温室効果ガスインベントリに反映する。
基盤研究部
事業(農園)
平20〜22
 水稲・施設等野菜における有機栽培技術の開発と体系化

・有機農業の推進を技術的に支援するため、県内の有機農業技術の実態把握を行い、水稲(コシヒカリ)及び施設等野菜において栽培技術を検証し、有機栽培技術の安定化を図る。
基盤研究部
作物研
園芸研
畜産研
食品研
佐渡農技

 (3)土壌賦存有害物質の管理技術
財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
国委託
平20〜24
 生産・流通・加工工程における体系的な危害要因の特性解明とリスク低減技術の開発

・水稲では、玄米カドミウム濃度を高めることなく玄米ヒ素濃度を低減するための実用的な水管理・資材施用法を明らかにし、畑作物では、高吸収作物を用いた洗浄法による土壌カドミウム低減技術や、ナス台木によるカドミウム吸収抑制技術を確立する。
基盤研究部
園芸研
国委託
平20〜24
 野菜類におけるPOPsのリスク低減技術の開発

・土壌中のドリン類を吸着する活性炭を用いて、キュウリ果実中へのドリン類の吸収移行を抑制し、キュウリ果実中のドリン類濃度を基準値以下にする。また、ドリン類高吸収作物を用いたファイトレメディエーション技術を確立し、土壌からのドリン類除去技術を開発する。
園芸研
国委託
平20〜24
 果菜の栽培過程における腸管出血性大腸菌の生産物への混入リスクの解明

・生産段階における、トマト、キュウリ可食部への腸管出血性大腸菌の移行の可否を明らかにするとともに、栽培環境を制御することにより、生産性と安全性を考慮した大腸菌の汚染低減技術を開発する。
基盤研究部
高冷地農技
国委託
平22〜24
新規課題
 野菜栽培におけるカドミウム吸収抑制技術の開発

・野菜栽培において、土壌由来のカドミウム吸収低減技術を確立する。品種によるカドミウム吸収程度の相違を明確化し、品種活用による吸収低減技術を検討するとともに石灰や活性炭等の資材活用技術を開発する。
園芸研

5 食品産業振興のための技術開発の推進
 (1)県産農畜産物の加工利用技術の開発
財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
県単経常
平20〜22
 多様なニーズに応える食品の加工利用技術の開発

・県内食品産業が期待する「地場農産物活用による差別化・高付加価値化、食品廃棄物のリサイクル技術」及び社会的ニーズである「安心な食品」に応えるため、新形質米を利用した新規食品の開発、蒟蒻・餅等の物性調整技術、麺類製造への微生物利用技術、米加工産業由来副生成物の有効利用技術を開発する。
食品研
県単経常
平21〜23
 新潟産食品素材を利用したブランド化のためのサポート技術の開発

・県産農産物のブランド化に資する高品質化技術、商品性の向上を目的に、園芸農産物の鮮度保持流通、野菜果実の加工品開発、発酵食品加工メーカーの支援、さらにヘルスサポート食品を開発するための機能性評価、機器分析法による品質管理技術討まで幅広く研究を行う。
食品研
県単特別
平19〜22
 食品別に加工しやすい大豆生産に向けた新たな評価方法の開発

・大豆加工メーカーが指摘する主要な加工要因(旨味、色調、加熱の容易さ等)を左右する大豆成分について詳細に検討し、その関係を解明して、新たな加工適性評価法を開発する。その評価法を加工原料の選定に活かすとともに、加工用途にあった大豆栽培法改善に資する。
食品研
作物研
県単特別
平21〜23
 米粉の消費拡大に係わる利用技術の開発

・小麦粉用途の微細米粉製造は専用設備が必要となるため、小規模製粉業者や農家による自家製粉で利用できる微細米粉製造技術並びにその利用技術の検討を行う。また、咀嚼性を特徴とした米食品開発により米粉の消費拡大、米加工産業の振興を図る。
食品研
県単特別
平22〜24
新規課題
 マイクロ・ナノバブルを利用した県産野菜等の新規加工技術の開発

・野菜類加工食品の品質は、原料収穫後の一次加工処理が大きく影響する。しかし現状は、漬け込み、脱塩に数日を要し、その間の微生物汚染が問題となっている。そこで、マイクロ・ナノバブルを用いた加工原料の効率的な洗浄、殺菌方法及び脱塩、調味などの加工処理時間の短縮化を検討する。
食品研
県単特別
平22〜23
新規課題
 米粉麺の乾麺化技術の開発

・米粉利用食品の普及・消費拡大を図るため、保存性・流通性に優れ、米粉使用量の多い米粉乾麺の開発を行う。米粉の配合割合や適切な乾燥条件を検討することにより、乾麺製造時に問題となる麺線の変形や破損が少ない製造技術の開発を行う。
食品研
国委託
平18〜22
 グルテン無添加米粉パンに適する多収米等の選定

・グルテン無添加米粉パンに適する多収米や新形質米等の適正品種の選定と米粉の基礎的特性の評価を行うとともに、グルテンフリー米粉パンの食味・品質の改善を行う。
食品研
国委託
平21〜22
 多収性品種の栽培法が米粉の品質特性に及ぼす影響評価(多収品種等の特性評価)

・10品種以上の多収米品種や「コシヒカリ」を施肥窒素量を変えて栽培し、施肥窒素量の違いが米粉の基礎的な品質特性に与える影響を明らかにする。また、併せてこれら品種の栽培特性、生産性を明らかにする。
作物研
事業(創造的)
平21〜22
 低炭素社会にふさわしい雪による新たなニイガタブランドの創造

・低炭素社会化が推進される中、雪室利用による保存技術に関心が高まっている。雪室保存による影響に関しては、一部農産物において官能による品質評価が示されているが成分等のデータは乏しい。そこで、雪室を利用した保冷及び冷蔵が県産農産物・食品の成分含量や物性に関する影響を分析し評価を行う。
食品研、高冷地農技

 (2)県産農畜産物の消費拡大のための食品素材開発
財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
県単特別
平21〜23
 「ル レクチエ」の特長を生かした加工食品及び素材の開発

・「ル レクチエ」の高級品としての認知度向上、消費・用途拡大を目的として、「ル レクチエ」果実の特徴的成分に関する科学的知見の集積等を行うとともに、果実の特長を生かした食品及び素材加工技術の開発を行う。
食品研
三県共同
平21〜23

 県産果実「桃、おけさ柿」等の高品位加工品の開発

・果実の多様な消費者ニーズに対応し、新たな需要を喚起するために、加工に適した県産「桃、おけさ柿」等の品種選定及び収穫技術を確立し、生果実の特徴を保持した加工食品を開発し、高品位加工品のアピール情報を提供する。

食品研
園芸研

  産学官連携競争的資金活用型研究

 (1)先端技術を活用した農林水産研究高度化事業  
財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
公募型
平18〜22

 土壌病原菌や有害線虫を駆除する薫蒸作物の開発と利用方法の確立

・カラシナ、クレオメは土壌に鋤込まれると、辛味成分グルコシノレートから、イソチアネート(ITC)が発生し、殺菌作用を示す。このような薫蒸作物の栽培法や鋤込み方法を確立し、土壌病原菌・有害線虫・雑草抑制効果とその機作を明らかにする。

基盤研究部

 (2)実用化技術開発事業

財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
公募型
平20〜22

 コメタンパク質を活用した歯周病予防向け機能性食品の開発

・歯周病菌の増殖およびプロテアーゼ活性を阻害するタンパク質性因子を、コメから製造する技術を確立するとともに、それを利用した歯周病予防向けのオーラルケア食品を開発する。

食品研
公募型
平20〜23

 雪室活用の西洋ナシの追熟制御と日本ナシの長期貯蔵の技術開発

・果実の非破壊測定の手法を用いて、最適な追熟制御、長期貯蔵の技術を開発し、安全安心な雪室ブランド果実の輸出拡大を図るため、長期貯蔵に適した果実の栽培条件を明らかにする。

園芸研
公募型
平20〜24

 アミロペクチン長鎖型の超硬質米による米粉新需要食品の開発

・超硬質米とは、高アミロース米やインド型米と異なり、アミロペクチン変異による日本型でありながら、高アミロース米以上に硬質の米である。世界で初めて育成された超硬質米の特徴を活用し、新加工技術を適用し、米粉としての新用途開発、需要拡大を行うことを目的とする。

食品研
公募型
平21〜23

 新規接ぎ木法による地域条件に適応したトマト土壌病害総合防除技術の開発

・ナス台木利用や高接ぎ木といった新規接ぎ木法と、抵抗性誘導物質や土壌還元消毒法等の病害発生予防措置を組み合わせることで、地域条件に適したトマト土壌病害の総合防除技術を開発する。

基盤研究部、園芸研
公募型
平21〜23

 フェロモントラップを基幹としたアカヒゲホソミドリカスミカメ高度発生予察技術の開発

・水稲の最重要害虫である斑点米カメムシ類の適正防除推進のため、アカヒゲホソミドリカスミカメを対象に、合成性フェロモントラップを利用した農薬散布の要否、回数を判断する発生予察技術を開発する。

作物研
公募型
平21〜23

 豚への飼料米給与による新規栄養補助機能の解明およびその実用化

・飼料の自給生産、安定確保が望まれるなかで、自給飼料として注目されている飼料米を消化器官が未熟な離乳子豚へ給与し、発育成績や消化性についてトウモロコシや小麦との違いを明らかにする。

畜産研
公募型
平21〜23

 地域遺伝資源「食用ギク」における系統識別技術と優良系統の開発

・新潟県には「かきのもと」を中心とした、菊を食用とする食文化があるが、同名異種、異名同種が数多く存在し、生産上問題が生じている。そこで、県内の食用ギク在来系統を収集、保存(新潟コレクション)し、形質調査を行う。
 また、優良系統の選抜並びにその栽培技術を確立して、「食用ギク」の生産拡大を図る。

園芸研

 (3)その他
財源区分
及び
実施年度
研究課題名及びその内容 担当部署
公募型
平21〜23

 海水・食塩水を利用した果樹(ナシ)の落葉促進技術の開発〜実用的効果の検証と植物体への影響解明〜((財)ソルト・サイエンス研究財団 研究助成事業)

・近年、台湾では日本なしなどの花芽穂木の需要が増加している。本県は良質な花芽穂木が生産でき国内最大の輸出県となっているが、落葉が遅い主力品種「新興」では採取できる量が限定される。
 そこで、海水または食塩水を散布して落葉を前進させるとともに、樹体に及ぼす影響をを明らかにすることにより、安定的なナシ花芽穂木確保技術を開発する。

園芸研
公募型
平22〜24
新規課題
 新規米加工食品の開発および冷凍流通技術の開発
(NICO市場開拓技術構築事業)


・本研究は、国公立機関の保有する新品種、製粉技術、米加工技術、機能性評価技術を基盤とし、冷凍企業、製粉企業、米加工企業、商社など11の団体・企業がコンソーシアムを構成し、@米加工品の冷凍流通技術の開発およびA新規米加工品の開発を行うことを目的とする。
作物研、食品研


凡例)
基盤研究部 = 農業総合研究所基盤研究部
バイオ研究部 = 農業総合研究所アグリ・フーズバイオ研究部 
作物研 = 農業総合研究所作物研究センター
園芸研 = 農業総合研究所園芸研究センター
畜産研 = 農業総合研究所畜産研究センター
食品研 = 農業総合研究所食品研究センター
高冷地農技 = 農業総合研究所高冷地農業技術センター
中山間農技 = 農業総合研究所中山間地農業技術センター
佐渡農技 = 農業総合研究所佐渡農業技術センター

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